ローズ氏はその後も否定を続けたものの、2004年に自著「My Prison Without Bars」で野球賭博と自チームに賭けていたことを認めた。当時のABCニュースの番組インタビューでもそれを率直に認めたが、自身のチームの”負け”に賭けたことは「考えたこともない」と語った。

ローズ氏の記録は現在も破られていない。輝かしい実績でありながら、現在も球界への復帰は許されず、それために殿堂入りから除外されている。

大谷選手は26日に会見を開き、水原氏の問題の経緯を説明した。

約12分間に及ぶ会見で、賭博および同問題への関与を完全に否定。スポーツ賭博をしたことはないとし、水原氏の借金返済に同意したこともなく、ブックメーカーに送金するよう水原氏に依頼または許可したこともないと明らかにした。

水原氏は後に撤回したものの、19日のESPNの取材時の説明では、大谷選手が自分の賭博の借金を助けるために、自らコンピューターにログインして送金を行なったとしていた。直接金銭を渡さなかったのは「お金に関して自分を信用していなかった」からで、「彼は私にギャンブルにお金を使って欲しくなかった」とも説明した。

なお、このインタビューの翌日、大谷選手の代理人、バーク・ブレトラー法律事務所は「翔平は大規模な窃盗の被害者」だとし、「この問題は捜査当局に引き渡した」と発表した。

大谷選手は会見で「結論からいうと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつみんなに嘘をついていた」と説明。水原氏の虚偽について複数の点を挙げた。

  • 先週末にメディアから自分の代理人に対して違法賭博に関与した可能性に関する連絡があったが、水原氏はこの取材依頼を自分に伝えなかった。それにも関わらず、代理人らにはすでに自分とコミュニケーションを取っていると主張した。
  • 当初、水原氏は代理人らに対して金銭は「某友人の借金の肩代わり」として支払われたものだと説明した。
  • その後代理人らに問い詰められると、支払いは水原氏自身がつくった借金に対するもので、大谷選手が肩代わりしたと説明を変えた。

水原氏から直接真相を知らされたのは韓国での第一戦があった20日のことで、大谷選手は「僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」と水原氏から伝えられたと明かした。

その場に代理人を呼び寄せ、代理人もそこで水原氏から嘘をつかれていたことを知ったと説明。すぐにドジャースと弁護士に連絡し、窃盗と詐欺の問題として弁護士から捜査当局に引き渡すことになった、と現在にいたる経緯を語った。