ブックオフGHDの見解

 ブックオフGHDが大手出版社から出資を受けている目的は何か。また、株主である出版社への利益還元などは行っているのか。ブックオフGHDに聞いた。

「当時の上場会社であるブックオフコーポレーション株式会社が、講談社、集英社、小学館並びに丸善雄松堂社へ株式を割り当てたという事実はございません。また、刊行物の販売に応じた3社への利益還元などは行っておりません」

「丸善CHIホールディングス(株)の株式を保有している目的は、当社グループ創業時から店舗で使用する什器・備品の発注、工事等の取引先であり、主要株主でもある同社とより強固な関係構築のためでございます」

「講談社、集英社、小学館の3社による当社株式の保有につきましては、当社が『保有させている』という事実はございません。従って、その目的等については当社がコメントをする立場にございません」

 一方、出版社側の見解はどうか。集英社に聞いた。

「当該株式の取得および保有は、当該会社とともに、 二次流通も含めた出版業界全体の協力・共存関係を構築し、 業界の持続的な成長を実現させていくことを目的としております」

 大手出版社社員はいう。

「出版不況の深まりを受けて10年くらい前に、扱う商品が新刊本か中古本かを問わず出版社と書店、印刷会社が協力して業界全体を建て直していこうという動きがみられたが、その後、具体的な取り組みは出ていない印象。出版社はゼロから企画して著者と密にやりとりしながら書籍をつくり、著者に利益を配分しつつ各種権利関係でも利益をあげていくというビジネス。一方、ブックオフのような中古販売は、一般消費者から不要になった中古品を安く買い取って販売し、その差分で利益を稼ぐという単純な商売で、権利という概念に乏しい。要は両者は水と油の関係で、うまくいくはずがない」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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