フランス留学をして気付いた本当にやりたいこと

――その後、日本に帰国してからどのようにして起業に至るのでしょうか?

帰国の日が近づくにつれてこれからどうしようかと思い、日本の転職サイトに登録して、フランスに関わる仕事を探していました。たとえば、フランスのブランドの販売員や輸出入に関する事務などはありましたが、惹かれる仕事があまりありませんでした。

そして、ある日気付いたんです。また就職してしまったら、好きな時にフランスへ行けないなと。これからもフランスと日本を行き来する生活をしたいならば、自分で仕事を作っていくしかないなと思いました。

そんな時に思い浮かんだのが、語学学校で仕事を手伝った経験でした。私の周りには、語学留学だけではなくて、パティシエやパン、フラワーなど専門留学をしている人が多くいました。周りの皆が目標を持って国家資格を受けたりフランス人と働いたりしている姿を見てきて、すごいなと思っていました。

私は語学だけだったけど、もっと多くの人がフランスで自分の夢を叶えるための留学を実現してほしい、そのサポートがしたいという思いが浮かびました。

それが決まると、すぐさま留学エージェント設立の準備を進めていき「France et moi」を立ち上げました。「フランスと私」という意味で、1人ひとりの留学のストーリーを紡ぐ手伝いがしたいという思いで名付けました。

何よりフランス留学って圧倒的に私の人生を変えたんですよね。好きという感覚に従ってフランス留学を決断した結果、仕事の内容も働き方も生活も本当に変わりました。留学をする人って日本にいるだけでは経験できないことを絶対に1つは持ち帰ってきて、それが何かしら価値観や人生を変えるので、そのサポートができるのが嬉しいです。


提携校の先生たちと

自分が選んだことを全部正解にしていく

――思い付いたら実現する行動力が素晴らしいです。ついつい決断するのを先延ばしにしてしまう人も多いですが、どうしたらよいでしょうか?

やらない理由を見つける前に、やる方向に1歩でも動いてみることが大切だと感じます。私の場合は、フランスに行ってみて心地が良くて、ここに住みたいと思ったら、じゃあどうしたら実現できるか、とにかく具体的に調べました。

調べていくと、現実的にこれは無理だとか、ここまでしてだったらいいやと諦めがつきますよね。本当にやりたいことを実現できそうな具体的なところまで見つけて、それをやるのか、諦めるのか。この状態までくるとあとはもう決めるだけだから、やらない方がリスクなんです。

やらないと一生後悔する気がしていて。決めたことに対して間違ってたとは思わないですね。

決めたことは、いくらでも正解にでも不正解にもできますよね。私も留学をして、本音を言えばもっと語学力を伸ばしたかったとも思うけど、それができなかったから不正解なのかというとそうではなくて、その次に自分が得たものを絶対に生かすって決めることが大事です。

自分が選んだことを全部正解にしていく気持ちでいることが大切だと思います。

――今後やっていきたいことは?

これからもフランス留学をサポートしていくのはもちろんですが、今起業に興味がある人が増えていると感じています。

私が大学生の時は就職するしか選択肢を知りませんでしたが、起業という選択肢があることを伝えたり、実際に起業したいとなった時にどういう風にやっていくのかというのをサポートしたりするような事業を計画しているところです。