“埋蔵金”の都市伝説は世各地にあるが、アメリカ・ペンシルベニア州の田舎町には南北戦争時代の埋蔵金が眠っているのではないかという噂が絶えない。開示されたFBI文書では、FBIがこの埋蔵金を掘り起こして押収した可能性が指摘されることになった。

■デンツランの地に眠る南北戦争時代の“埋蔵金”

 1861~65年にかけてアメリカを二分する激しい戦いが繰り広げられた南北戦争だが、その最中に興味深いカネの動きがあったという。1863年6月にウェストバージニア州ホイーリングからペンシルベニア州フィラデルフィアへ向けて、北軍の戦費として26~52本の“金の延べ棒”が特別に組織された分遣隊によって運ばれたという。

 しかし、分遣隊の動きは何者かによって把握され、道中で待ち伏せしていた勢力の攻撃を受けて壊滅し。奪取された金塊はいったん近くの地中深くに埋められたといわれている。

 そしてこの“埋蔵金”の在り処として最も有力な候補地がペンシルベニア州中北部のエルク郡にある小さな町、デンツラン(Dents Run)だといわれ、以来、人々の注目を浴びることになったのだ。

「Finders Keepers USA」と呼ばれるアマチュアのトレジャーハンターチームの創設者、デニス・パラダ氏は1975年に「謎の見知らぬ人」から埋蔵金に関する話を聞き、その人物が描いた地図に従って探索を始めたという。その後2004年11月、パラダ氏らはデンツランで南北戦争時代の野営地を発見したと主張し、金属探知機を使った調査で、とある地点の約8フィート地中に金属が大量に埋まっていることを確認したと報告している。しかし、その現場は州立公園内にあるため、それ以上の探索は保留されている。

 噂が噂を呼ぶ“デンツランの埋蔵金”だが、開示された文書でFBIがこのデンツランの埋蔵金に関してただならぬ動きを見せていたことが判明した。なんと、FBIが少なくともこの“デンツランの埋蔵金”を実際に探していたことが文書で明らかになっているのだ。

 地元紙「The Philadelphia Inquirer」によれば、2018年以来、多くのFBI捜査官がデンツランの町を訪れているという。そしてFBIエージェントのジェイコブ・アーチャー氏はパラダ氏に接触し、埋蔵金があるとされる現場を調査していたことが最近開示された文書から明らかになっているのだ。

 そしてFBIとパラダ氏の調査の結果、埋蔵金は当初考えられていた金の延べ棒26~52本よりはるかに高額で、2億5000万ドル(約280億円)以上の価値がある9トンもの金塊である可能性があることが示唆されたのである。

世界の「失われた財宝6選」黒髭の隠し財宝、ナチスの金塊…ファンタジーではない!
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)