欧米では仮眠ポッド市場が拡大中、オフィスは有力セグメント

ちなみに、欧米のオフィスでは「スリーピングポッド」(昼寝ポッド)の導入も進んでいる。同製品の世界市場規模は、IMARCの調査によると2023年に21 億米ドルというから、個室ブースの約4倍だ。今後もCAGR8.61%で成長を続け、2032年には 44億米ドルになると予測されている。

業界大手のMetroNapsが「世界初」のオフィス用仮眠用チェアとして2003年に発表した「EnergyPod」は、GoogleやCiscoなどの大企業で導入されている製品。

Image Credits:MetroNaps

昼寝ポッド市場において、空港に次いで大きなセグメントが企業オフィスだ。「パワーナップ」によって生産性の向上やミス防止が見込めるため、MicrosoftやUberなども福利厚生として昼寝ポッドを導入している。日本では三菱地所が2018年に仮眠制度を採用、仮眠室を設置して話題となった。

仮眠ボックスは公衆電話ボックスほどの大きさで、ベッドに比べて省スペース(プレスリリースより)

2023年8月には、立ったまま寝る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」が登場。北海道旭川市を拠点とする広葉樹合板が開発した同製品は、今年1月から販売が開始されたところ。個室ワークブースの流れを考えると、日本でも今後オフィスで昼寝用設備の導入が進みそうだ。

(文・根岸志乃)