長崎県の宇久島で計画されている日本最大のメガソーラーが、5月にも着工する。出力は48万kWで、総工費は2000億円。パネル数は152万枚で280ヘクタール。東京ディズニーランドの5倍以上の巨大な建築物が、県の建築確認なしで建設される。民主党政権が太陽光発電を建築基準法の適用除外にしたからだ。

宇久島メガソーラーのイメージ(公式ホームページより)

2012年度の買取価格40円で発電開始

当初はドイツ企業が土地を取得し、京セラと九電工とオリックスが事業主体となって2013年3月末に事業認可を取ったことになっているが、実はこのとき用地取得は終わっておらず、6801筆の「賃貸証明書」がかわされただけだった。交渉が難航したためドイツ企業とオリックスは撤退したが、残った企業が交渉を続け、2019年に賃貸契約が完了した。

電力会社と接続して発電開始するのは今年末の見込みだが、宇久島メガソーラーのFIT買取価格は2012年度の40円のままである。2017年に改正された再エネ特措法では、買取価格の決定は電力会社との接続契約の終わった後になったが、それ以前に事業認定を取った物件は例外とされたからだ。

FITの買取価格(資源エネルギー庁の資料)