■部族内で“悲劇”が語り伝えられている可能性

 先住民部族の権利を訴える人権団体「サバイバル・インターナショナル」は、ポートマンの訪問の記憶がセンチネル族が今も外界との接触を非常に恐れている主な理由の一つである可能性があると述べている。

 同団体のウェブサイトは「この“科学研究”の結果、何人のセンチネル族が病気になったかは不明だが、おそらく子供たちに病気が伝染し、その結果は悲惨なものになっていただろう」と言及している。

「これは単なる推測ですが、この経験がセンチネル族の継続的な敵意と部外者への拒絶の原因となっている可能性があります」(同ウェブサイトより)

 現在、この島の周囲5マイルはインド政府によって立入禁止区域に指定されて保護されているが、ジョン・アレン・チャウ氏の不運な冒険のような侵入は依然として時折起こり得るだろう。

 1980年代に貨物船「プリムローズ号」が北センチネル島の近くで座礁し、槍や矢で武装した裸の戦闘員が船に迫っているとの無線通報があった。プリムローズ号の船長は香港の本部に無線で「さまざまな手作り武器を携えた推定50人以上の野生人たちが木造ボートを2、3隻準備している」と伝えた。

世界で最も危険な島「北センチネル島」の部族が部外者を拒む“哀しい”理由
(画像=「Daily Star」の記事より,『TOCANA』より 引用)

「日没時に彼らが乗り込んでくるのではないかと心配です。乗組員全員の命は保証されません」(同船船長)

 プリムローズ号の乗組員が生き残ったのは、悪天候によりセンチネル族のボートが近づけなかったためであるといわれている。

 近年、センチネル族との正式な接触の試みはなく、部族民の人数を調査しようとした人類学者を乗せた低空飛行のヘリコプターさえも槍や矢で攻撃されている。

 島の人口は減少しているように見え、部外者はセンチネル族の言葉を学ぶことができないため、孤立している正確な理由は突き止められないままに島の文化と部族が消滅を迎える可能性もある。

 残念ながらもしそうなった場合、モーリス・ヴィダル・ポートマンが犯した罪は大きすぎたと言わざるを得ないのだろう。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?