■謎のイラストは“子宮”の図解なのか!?
研究チームは15世紀の医師の一人、ヨハネス・ハートリーブに着目した。
ハートリーブは、植物、女性、魔法、天文学、風呂についての著述を数多く書き残しているのだが、同氏はまた、避妊、中絶、不妊につながる可能性のある医療手法や手順を“暗号化”した「秘密の手紙」を推奨していたといわれている。
ハートリーブは「女性の秘密」が広く一般に知られるようになることに強く躊躇していたといわれ、その種の著述物は婚外セックスを助長する可能性があり、もしそうなった場合には神が彼を断罪することを憂慮していたという。
したがってその種の情報については“暗号化”された「秘密の手紙」を活用すべきであることを暗に匂わせていたのだ。
そして研究チームはこの時代の多くの暗号を解読したのだが、その中には中世後期のイタリア北部に伝わる21行の暗号文があり、その内容には中絶を含む婦人科の施術手法も含まれていたのだ。
また著者が自己検閲を行ったり、読者が婦人科や性科学のテキストの情報を消去したり毀損したりする例も数多く見つかった。検閲は多くの場合、情報に含まれる性器名称や植物の名前など、いくつかの単語のみを不明瞭にするだけであったが、場合によってはページ全体や章全体を削除することもあった。
バイエルン州のある著述物には、女性とセックスをするために透明人間になる呪文や、魔法の呪文が含まれており、その後の2ページが削除されていた。
研究チームは肝心のヴォイニッチ手稿の解読には成功していないのだが、同書の中でも有名なイラストである「ロゼット」が、中世後期の性と受胎についての理解を表していると説明している。
ロゼットは、円、チューブ、ドット、電球、通路、城、市壁で構成されているが、この構造は中世の理解での子宮を図解化したものであると研究チームは説明する。
はたしてヴォイニッチ手稿には中世の“セックス教本”の要素が込められていたのか。そして全文の解読に成功するのはいつなのか。謎だらけのヴォイニッチ手稿はこの先も我々を悩ませる未解決ミステリーであるのだろう。
参考:「Daily Mail」、「The Conversation」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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