かつて米軍に実在した“サイキック部隊”の超能力兵士がその遠隔透視能力を駆使して行方不明の幼児の遺体の在り処を正確に特定していた――。
■元サイキック兵士が行方不明事件を捜査
1979年から1981年に起きた「イランアメリカ大使館人質事件」では、大使館関係者を人質にとられて手も足も出せない米当局側であったが、その裏で米陸軍とCIAは当時極秘裏に存在していた“サイキック部隊”を出動させていたことが指定解除された機密文書から明らかになっている。
メリーランド州フォートミードの拠点で6人のサイキックソルジャーが集いリモートビューイング(遠隔透視)によってイランのアメリカ大使館の中を“観察”し、アメリカ人の人質が施設内のどこにいるのか、どのように軟禁されているのか、健康状態はどうなっているのかを把握する試みを200回以上行っていたことが文書に残されているのである。
かつてそうしたサイキック部隊の一員であったエド・デイムズ氏は、現在フランスを震撼させている謎の事件に着目し、遠隔透視能力を駆使して独自に捜査を行った。
2023年7月にフランスで行方不明になっていた2歳の男児エミール・ソレイユ君は、残念ながら今年3月末にル・ヴェルネの村はずれの畑の近くの小道で白骨遺体となった姿で発見された。
しかし事件には釈然としない点も多く、たとえば白骨遺体が発見された場所は多くのボランティアが動員されて徹底的に捜索が行われた場所であった。この捜索後にエミール君の遺体が何者かによって遺棄された可能性もじゅうぶんあり得るのである。
そしてこの発見の前に、遺体の場所をリモートビューイングによって特定していたのがデイムズ氏なのだ。
現在74歳のデイムズ氏は英紙「The Sun」に対して、12月にフランスの警察に送った電子メールついて語っている。メールの文面でデイムズ氏はエミール君の遺体が畑かまたは畑の近くにあると説明したのだった。
デイムズ氏は一般人からこの事件についての情報提供を受けたと述べ、その後にすぐにサイキック捜査に取り組み、2日間かけてエミール君の遺体が遺棄されている場所を特定したのだった。
「これは重大な事件であることは分かっており、緊迫感が高かったです」とデイムズ氏は同紙に話している。
メールが届けられた12月の時点で地元の警察が再び本格的に捜査に乗り出していれば事件はまた違った様相を見せていたのかもしれない。
デイムズ氏はCIAと陸軍の合同サイキック部隊の作戦・訓練担当官として、超常現象を利用した捜査スキルを磨いた。 現在は廃止されたこのプロジェクトは、ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ケビン・スペイシー主演の2009年の映画『ヤギと男と男と壁と(The Men Who Stare at Goats)』のモデルとなっている。