■「蛇ににらまれた蛙の気分」

リアンナンさんは、「女性の警備員が非常に高圧的だったため、『蛇ににらまれた蛙』のような気分にさせられた」と当時を振り返る。

ボディスキャナーで再検査を要求されたのは、実はこれが初めてではなかった。以前、若い警備員が担当する検査場で異物を示すサインが表示された時にも、やはり引き留められた。しかし人工乳房のプロテーゼだと説明すると、「すみませんでした。結構です」と言われ、すぐにセキュリティを通過できたという。

ところがダブリン空港での扱いは、まったく違っていた。混雑した検査場で、命じられたことを実行しなければならないという威圧感に苛まれたリアンナンさんは、「自身のプライバシーよりもプロテーゼを外すことに集中した」とその時の心境を話している。