肝心要のブレーキをしつこくチェック

ブレーキは、この内側のパッド残量が何よりも大事です。残量がなくなると、一気に効かなくなってしまうのでとても危険。しつこくちゃんと診るようにしましょう。フロントは、逆側からこうやって診るのですが、わかりづらいですよね…

ならば、キャリパーを外してしまうのも手です! 上下2カ所のボルトを外すだけなので、意外と簡単。

診ておいて良かった! このセローは、もう1000kmも持たないところまで削れきっていました…。オフロードのブレーキパッドは、砂の多いところを走ったり、泥で走ったりすると、すぐに減ってしまうのです。走行距離で管理できないパーツだということを、覚えておきましょう!

奥が新品のパッドです。掘られている溝が無くなったら、交換サインなんですが、セローについていたパッドはもうライフゼロ。ブレーキ周りのリフレッシュは、また今度別記事で紹介しますね!

リアブレーキは、後輪を外さないとキャリパーが外れないので、目視で確認するのがいいでしょう。こちらは十分ありました。

それと、ディスクの摩耗も確認しておきましょう。こうやって左右からゆびで挟んで、段付きを診ます。だいたい、縁に段がついてしまっていることが多いです。深くなってきたら、交換を検討しましょう。パッドのあたる面積が減り、だんだん効きが悪くなっていきますよ。

安全はタイヤから考える

バイクは、タイヤで走るもの。特に、土の上を走ることでオフロードバイクの足まわりは、特殊だし重要なものです。オンロードと違うのは、摩耗限界の見極めが人それぞれだってことです。オンロードは、スリップサインを診ていればなんとなく交換時期がわかりますが、オフロードの場合は、走るフィールドや、技量、タイヤの種類によっても違います。

セローのようなトレールバイクの場合、トレールタイヤという一般公道を走ることに重点をおいたタイヤが一般的なのですが、トレールタイヤはどちらかというとロードバイクのように、溝を掘ってブロックを作っているような感覚に近いかもしれません。タイヤの全面に対する溝の比率を「ネガティブ比」と言うのですが、トレールタイヤはネガティブ比が低く(溝が少なく)、レース用のタイヤはネガティブ比が高く(溝が多く)なります。さらには、山の高さもタイヤによって多種多様だし、タイヤのゴム質もまったく違います。

タイヤというのは、メーカーが「公道可」「公道不可」と自主規制で決めているものなので、実は公道可のタイヤは公道でグリップが必ずしも高いかというとそうではありません。公道を使うレース「エンデューロ」用のタイヤは、公道可ですが公道ではグリップが極端に落ちます。構造上、公道不可のモトクロスタイヤ(ハード用に限る)のほうがグリップしたりもします。

覚えておいてほしいのは、トレールタイヤと呼ばれる以外のタイヤを履く場合には、ほとんどリスクが伴うということです。場合によっては、セローといえどトランポで運ぶことも検討が必用ですよ!

text&photo RIDE-HUCK

RIDE-HUCK掲載日:2021年8月18日