欧米からアフリカ諸国への送金をスピーディに

決済アプリNALAを利用できる送金元の国は下記の通り。

オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、イギリス、アメリカ

次に、受取先として対応している国は下記の通り。

ガーナ、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ルワンダ、ナイジェリア、セネガル、カメルーン、コートジボワール

これらをみるに、まさにEU諸国やアメリカで働いている人が、出身国で待つ家族のために仕送りする使い方を前提にしていることがわかる。NALAはすでに50万人以上のユーザーを抱えており、今後より多くの国での送受金が可能になるよう、サービスを拡充していく姿勢をみせている。

95%が数分以内に着金

Image Credits:NALA

NALAの利用にかかる手数料は、モバイル送金の場合は為替レートに組み込まれたごく少額のマージンを除いて無料。なお銀行送金の場合はNALAが各銀行の手数料を相殺するための少額の手数料が発生することもある、としている。

従来のアフリカ諸国への送金は、上述したように「着金まで時間がかかる」という問題があり、その遅延が信頼性を欠かすことにも直結していた。一方、NALAを使った送金ではその95%が数分以内に送金されるといい、スピーディな入金を可能としている。

シリーズAラウンドで4,000万ドルを調達

NALAは今年7月、Acrew Capital主導のシリーズA投資ラウンドで4,000万ドルの資金調達に成功したことを公表した。これにはDST Global Partners、Amplo、Norrsken22、HOF Capitalなどが参加している。
NALAが7月9日に配信したプレスリリースでは、過去12カ月で収益が10倍に増加したこと、過去20か月で取引量が34倍になったことなどが説明され、あわせて創業者の想いも語られている。

NALAは現在、世界中で約50万の顧客にサービスを提供し存在感を示しているが、この地位を確立するまでにはなんと過去4回も資金が尽きてしまう危機に直面したそうだ。そうしたハードルを乗り越えた末の、此度の資金調達である。

同社は現在、世界各地の企業が、アフリカと効率的に取引できるようB2B決済インフラを整えている最中である。アフリカへの送金だけでなく、アフリカからの送金も支援することや、さらに送金者が受取側での資金の使い道をより細かく管理できるよう、送金口座にリンクされた受取人用のプリペイドカードを提供するなどといったアイデアも打ち出している。

(文・澤田 真一)