上司や同僚との人間関係の「嫌」を、プライベートまで持ち帰っている人はいませんか?
大好きな人と一緒にいても、お風呂でリラックスをしていても、ふとその人のことを思い出してしまうだけで、一気に気持ちが落ち込んでしまいますよね。
「社会に出たばかりの若者こそ、人間関係を良くするために“ほメガネ”をかけるべきです」
そう語るのは、「ほめ育」開発者である原邦雄さん。「ほめて育てること」を意味するほめ育は、子どもだけでなく、大人にこそ響く教育メソッドです。
ほめ育のなかでも、人間関係に悩む人に役立つツールであるという「ほメガネ」とはなんなのか?……いますぐ人生に役立つ「ほメガネ」のかけ方を原さんにお聞きしました。
人間関係が良くなる「ほメガネ」の正体
―――原さんが欠かさずにかけているという「ほメガネ」とはなんでしょうか?
ほメガネとは「人の悪いところではなく、ほめるべき良いところが見えてくる魔法の眼鏡」のことで、ほめ育が題材の児童書『ほメガネの村』で作られた言葉です。
※『ほメガネの村』は、周囲を憎んでばかりいた村人たちが、「ほメガネ」をかけた少年との触れ合いをきっかけに、本来のやさしさを取り戻していく物語
引用:一般財団法人ほめ育財団
「ほメガネ」は、誰でもいますぐかけられることが特徴です。「人の良いところを見る」ことを習慣化すると、自分だけでなく周囲も変えていける力が身に付きます。
――社会に出たばかりの若者が「ほメガネ」をかけたいときは、どのようにすれば良いのでしょうか?
「ほメガネ」のかけ方は簡単で、常に周りの人の良いところに目を向ける意識をし、それを習慣付けることです。
嫌いな同僚や上司に対し、悪口を言いたくなるような瞬間こそ、自分にかけた「ほメガネ」を触ってみてください。
「この人のこだわりは尊敬する部分もあるな」「いつも怖いけど、毎日1番早く会社に来て掃除しているよな」など、いままでとは違う視点でその人のことを見れる気がしませんか?
良いところを見つけたら、実際に相手へ言葉にして「ほめて」みましょう。相手の成長にもつながりますし、自分の心もどんどん前向きになっていく実感を得られます。
「ほメガネ」があれば上司をほめることもできてしまう
――同僚や取引先になら良いところを伝えやすいのですが、上司を「ほめる」イメージがあまり湧きません。
関係がうまくいかないと思っている上司に対しては、仕事に関する“報告”でも「ほメガネ」が力を発揮できます。
たとえば、「あなたのアドバイスのおかげでこう改善されました」と、具体的に報告をしてみてください。部下のサポートが仕事の上司にとっては、前向きな報告自体が1番のほめ言葉になるのです。
いつの間にか、上司の言葉がすべてマイナスに聞こえてしまっているのであれば、ぜひ「ほメガネ」をかけてみてください。どんなに間柄が悪くとも、上司の力があったからこそうまくいったことを思い出し、報告をしてみることから始められるようになります。
「ほメガネ」をかけた報告に慣れてきたら、上司に伝えるタイミングにも注力していきましょう。
たとえば、上司からサポートをもらった大事な案件が終わったら、得意先の建物から出てすぐのタイミングで報告をしてみてください。より濃度の高い感謝の気持ちが相手に伝わり、関係性もどんどん良くなっていくはずですよ。
―――「ほメガネ」をかけ続けていると、ビジネス上でほかにどのような良いことがありますか?
人だけでなく、物やサービスの良い部分にまで目を配れるようになり、仕事がどんどんしやすくなります。
経営コンサルティングの仕事をしていたときは、商品やサービスがもつオリジナルの魅力を見出し、差別化を図ったうえで売り上げアップにつなげていました。
もちろん、クライアント1人ひとりの良いところも言葉にしていたので、関わったすべての人がモチベーションの高い状態を保てていましたね。
私は現在「ほめ育コンサルタント」として経営者に対してセミナーをおこない、社員が売り上げアップにつながる行動をしたときのほめ方などを伝えています。
200社以上の業績アップに貢献ができており、「人の良いところ」を見つける大切さを日々実感しています。