■「不採用通知」届く

そして検診の翌月、男性はナッシュビル警察から「不採用通知」を受け取った。通知書には、「米軍に入隊可能な健康基準を満たしておりません。よって警察官トレーニーに必須のアカデミー参加を推薦できない状況です」などと綴られていたそうだ。

ナッシュビル市は警察官の採用時にアメリカ軍の入隊規定を適用しており、当時のアメリカ軍では、HIV陽性者の入隊自体が対象外だったのだ。なお現在は、条件はあるがHIV陽性者でも入隊可能だという。

納得できない男性は、ナッシュビル警察に再審査を求めた。男性のHIVは無症候期にあって、ウイルスを抑制できている。そのため職員や市民を感染の脅威にさらすことはなく、職務遂行に何ら問題はないとする医師の意見書も提出したという。