■排泄物の持ち帰り義務

またエベレストでは、登山道に放置される排泄物の堆積も問題になっている。そのためネパール当局は、登頂後は自身の排泄物を袋に入れてキャンプに持ち帰ることを義務化した。

昨年、ヒマラヤ山脈にあるサガルマータ国立公園には6万人が観光に訪れており、そのうち600人が登山者なのだという。ところが、こうした登山者による空き缶やボトル、ガスボンベに登山用器具といった廃棄ゴミの放置が、自然環境を脅かしている。中でも、人の排泄物は極寒のエベレストでは自然分解されないため堆積し、環境汚染や健康被害をもたらしてきた。

サガルマータ公害防止委員会は、アメリカから約8,000個の排泄袋の調達を進めており、化学薬品で排泄物を固形化する専用袋を登山者に配布する予定だ。