■被害者たちは…
この事件の被害者であるルーシー・ロウさん(16歳)とその母親、そして2人の姉妹の計4人は、ギャングの口封じによって殺害された。犯人のタクシー運転手アズハ・アリ・メヒムードは、ルーシーさんを14歳の時から虐待し続け、彼女はメヒムードの子どもを産んだ。そしてルーシーさんが警察に話すことを恐れたメヒムードは、ルーシーさんの家に火をつけたのだ。メヒムードは、ルーシーさん家族の殺害の罪で投獄された。しかし彼はルーシーさんに対する性的虐待の罪では、起訴も逮捕もされていない。
ルーシーさんの死の2年後、麻薬を打たれ9人の男から強姦された別の被害者は、ルーシーの死は彼らのことを外部に話す可能性のある他の少女への警告として使われたと語った。匿名のこの女子生徒は、自殺を試みようとしたと語る。「私は家族がルーシーのように殺されることを恐れていました。私さえ死ねば、家族の身は安全だと思ったのです」と彼女はミラー紙に語った。
テルフォードには少女の不可解な死が多い。
ベッキーさんは11歳の時からギャングたちに性的虐待を受け、売春を強要されていた。彼女は13歳の時、車の事故で亡くなったが、当局はこの事件を「いたずら」として処理した。ベッキーさんは日記を付けており、その中で彼女はどのようにして、いろいろな男とセックスをさせられたかを記録していたにもかかわらずだ。ベッキーさんの母親トーロンは何回も警察に行き、容疑者のリストさえ警察に渡したという。しかし、誰も動かず何も起きなかった。
「助けるどころか、ベッキーは警察で犯罪者のように扱われました。もしギャングがベッキーに行った性的虐待が、当局によって適切に調査されていたら、もっと多くの女の子がこの地獄から救われたはずです」(トーロンさん)
ヴィッキー・ラウンドさん(20歳)は、前出のベッキーさんの友人で、同じギャングメンバーによって売春を強要されていた。彼女は14歳の時からギャングに売春させられ、麻薬中毒にされていたが、ドラッグの過剰摂取で20歳の時に亡くなった。
ムバラク・アリ(34歳)と弟のアーデル・アリ(27歳)、この兄弟はテルフォードのインド料理店の上の部屋で、少女たちを売春させて客から金を受け取っていた。彼らは性的虐待、人身売買の罪で26年の判決を受けた。