こんにちは。医師&医療経済ジャーナリストの森田です。

最近日本で、人食いバクテリアとも呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症の感染が急増しているをご存知でしょうか?

NHKの「おはよう日本」によると、まだ6月の段階で977人の感染者が報告されており、これは過去最多の数字です。

この事態について、溶血性レンサ球菌(溶連菌)自体の特性や、感染急増の原因について考察してみます。

溶血性レンサ球菌とは

溶血性レンサ球菌は、普通の人間の喉や鼻に常在する常在菌です。

つまり、通常は特に問題を引き起こさず、健康な人の体内に存在しているのです。

しかし、何らかの原因でこの菌が活発化し、感染を引き起こすと、いわゆる「溶連菌感染」となります。

この感染は主に子どもに多く見られ、扁桃腺が腫れたり、喉の痛みを伴う風邪のような症状が一般的です。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の急増

それでは、なぜこの常在菌が突然、多くの人々に深刻な感染症を引き起こすようになったのでしょうか?

以下で、その原因について個人的な推測を交えて考察してみます。

感染急増の原因:菌の変異と宿主の変化

突然の感染急増には、主に二つの要因が考えられます。感染源側(菌側)の要因と宿主側(人間側)の要因です。

感染源側の要因:菌の変異

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の急増の一因として、菌の変異が考えられます。ニュースによると、新しいM1株の変異は従来の9倍の感染力を持っているとのことです。

ただ、菌やウイルスの変異は非常に頻繁に発生します。

ここ数年のコロナウイルスの報道を思い出していただくと分かるでしょうが、毎回のように「今回の変異はすごいぞ!」と報道はされますが、大抵は眉唾です。

となると…今回の溶連菌の変異が本当に特別なものであるかどうか…?はまだ不明、というところでしょう。