利用者の3〜4割は、自分で一度退職を切り出した経験

―――退職代行サービスの利用者は、自分で一度退職を会社に切り出しても止められたのでサービスを利用する方と、最初からサービスを利用する方、どちらが多いのでしょうか。

谷本さん:体感で言うと、一度会社に伝えている方は3〜4割です。

一度も会社に伝えていない方に関しても、他の方が退職を止められているのを見たり、上司に言ったらおそらく退職を止められると感じたりしているから、退職代行サービスを利用する方がほとんどです。

20代に限ると、退職を伝えたとき、「すぐ辞めるのは甘えだ」とか「まだ(仕事や社会のことを)何もわかってないんだから、1年間は働いてみろ」と強制されたり、圧力をかけられて、辞められないから当社に依頼する方が多いです。

―――ほかのメディアで、「退職代行モームリ」の担当者が先方の会社に連絡した時に、暴言を吐かれているのを見たのですが、そういったことはよくあるのでしょうか…。

谷本さん:暴言を吐く会社は1割程度、ものすごく丁寧に「退職代行でご迷惑をおかけして申し訳ありません」と言ってくださる会社も1割程度、残り8割は事務的に対応されますね。

―――今は、会社側にも退職代行サービスがかなり認知されているのでしょうか。

谷本さん:そうですね。人事や総務の方にご連絡すると「ついにうちにも(モームリさんが)来ましたか」とか「昨日、テレビやYouTubeで見たばかりです」と言われることが増えたので、かなり認知度は上がっていると思います。

対応の最後に、「私も(退職する際には)お願いします」と総務の方から言われたり、実際に、総務の方から退職代行の依頼が来たりしたこともあります。



後編では、「退職代行モームリ」に関する海外メディアの取材についてや、退職代行が目指すところについてお聞きしました。

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インタビュイープロフィール

谷本慎二(たにもと・しんじ)

神戸学院大学卒業後、東証一部上場企業に入社し、接客サービス業に従事する。翌年に店長昇格後、入社5年でエリアマネージャー昇格。首都圏を中心に新店舗の立ち上げ責任者を6店舗経験。勤続約10年を経て退社。半年間の自己啓発・準備期間の後、株式会社アルバトロスを設立。事業として退職代行モームリを運営。