キャッチーなネーミングと退職手続きを本人に代わって行うサービス内容で一躍話題になった「退職代行モームリ」から、7月に初の書籍『退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社』が出版されました。

同サービスを運営する株式会社アルバトロスの代表取締役・谷本慎二さんは、本書は「会社の辞め方」を教える内容ではないと語っています。



今回、U-NOTEでは谷本さんに、Z世代が退職したい会社の特徴などについてお聞きしました。

Z世代に多い退職理由とは?

―――Z世代に多い退職理由について教えてください。

谷本さん:「入社前後で契約内容に違いがある」です。

労務関係の内容が次に多く、続いてセクハラ・パワハラなどの各種ハラスメントです。

新卒の方が多いZ世代には特に多い退職理由になっていると感じます。

―――「退職代行モームリ」の利用者の中で、新卒の方の割合はどれくらいなのでしょうか。

谷本さん:新卒で14%、20代というくくりだと40%、30代は20%で、それ以降は割合が減っていきます。当社のサービスは20代の方への認知が特に多いです。一方で最高齢で71歳の方からも依頼もありました。もちろん若い方の依頼は多いですが、年齢関係なく幅広く依頼を頂いております。

―――昨年2023年のデータと比べて変化はありますか。

谷本さん:そもそも昨年のデータは2023年1年間の利用者1,637名を対象に調査したものですが、今年に関しては1カ月ですでに1,800名ぐらいの利用者がいるので、母数が違うため一概に比較ができません。

去年に関してはニッチなサービスで利用されていましたが、今は一般的に利用されるようになりました。

―――昨年から今年にかけてそんなに利用者の方が増えたんですね。

谷本さん:200社ぐらいのメディアから取材を受けて露出が多くなったことで、普段ネットを見ない方の認知度も上がりました。

「モームリ」が思うZ世代に合わない会社の特徴とは?

―――実際に退職代行のやり取りをされていて気づいた、Z世代に合わない会社の特徴とは?

谷本さん:一言でいうと「昔かたぎの会社」や、「退職者が出るのは、退職する従業員側が悪い」という他責志向の企業は、退職者が出続けていると感じています。

―――それは、先方企業に「退職代行モームリ」の担当者が連絡したときに感じるのでしょうか。

谷本さん:そうですね。会社にご連絡したとき「あいつのせいだ」とか「あいつは許せない」と企業担当者の方がおっしゃることが多いです。

また、弊社に対しても「お前らがいるせいで退職者が出るんだ」とおっしゃる企業は、従業員に対しても同じような扱いをしているので、やはり退職者が多い傾向になります。

そういった企業は、労務関係が法律どおりになっていないことがほとんどです。

有休が取れない、サービス残業があるなど、労務関係で違法に近い、もしくは違法な対応を取られている会社に勤めている方が、退職代行サービスを使われるケースが多いです。

―――逆に、どんな会社がZ世代に合うと思いますか?

谷本さん:今の若い世代の方々は、プライベートを重視する方が多い印象を受けます。

労働時間が短いとか、お休みが多いとか、フレックスタイム制やリモートワーク可能であること、職場でのフリーアドレスや服装・髪型の自由など、自由な会社を好む傾向があると思います。