最もスレ違うのは職場

おそらく、世代間のギャップが一番出やすい場所は職場であろう。会社ではいろんな年代やバックグラウンドを持つ人が働いており、それぞれの「あるべき論」を持っている。

たとえば「技術は見て盗め」と考える上の世代のベテラン社員はそれなりにいる。自分たちが新人だった頃に社内Wikiやマニュアルなど完備されていなかったのが普通だからだ。

しかし、今の時代にこんなことを言っても通用しない。あらゆる技術は反復が前提であり、見て盗めは技術獲得のプロセスに合理性がない。一方でしっかりとしたマニュアルがあれば、それを見ながら技術に慣れるまで繰り返す過程で熟練する。どちらに有効性があるかは明らかだ。マニュアル化が難しいプロセスも存在するだろうが、少なくとも新人が対応できる程度の仕事はマニュアル化が望ましいだろう。

こうした価値観のズレはどちらに合わせるべきか?というと、それは合理的な方であろう。つまり、上記の事例は「今どき、マニュアル完備していないのですか?」と若者から指摘されたなら、ムッとせずに合理的なマニュアル完備の体制へアップデートするべきなのである。

仕事は結果を出すことがすべてであり、経営者は従業員に支払う給与以上の粗利を出す構造を作れなければ、その企業に持続可能性はなく倒産は免れない。

「たかがマニュアルの話くらいで大げさな」と思われるかもしれないが、こうした小さなオペレーションの改善が一切起きない硬直化した組織体制は、仕事の大小に関わらずやがて時代の変化に対応するアジリティに問題を抱えていると判断できる。そうなれば全社的に見て、日々変化に対応できる企業に競争力の面で劣後するだろう。

上の世代の中には「若者に古い価値観だとバカにされたくない。嫌われたくない」とやたらとヘコヘコ低姿勢で接する人もいる。しかし、こと仕事における文化や慣習、オペレーションで重要なのは「新しさ」ではなく常に「結果」だ。より粗利を出し、顧客満足度を高められるやり方があるならそちらのやり方を採用する、というシンプルな軸で考えれば良いと思うのだ。

 

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