毎日、塾に通い、その成果もあって私立小学校に合格します。ところが、お金持ちの人が通うような小学校だったので、とても窮屈に感じたそうです。

「小学3年生になった時、中学校は私立に行くことを条件に、公立小学校へ転校させてもらえることになりました。転校先の小学校に慣れることに時間はかかりませんでした。 そして、親友と呼べるRという友達に出会うことができました。しかし、Rと遊んでいた私が、髪を染めたり、ピアスを開けたりし始めたため、母に、『もうこの子とは遊ばないで』と何回も言われました」(松谷さん)

「今では、母はその子を気に入っているのですが、小学校で一番辛かったのは、自分が一緒にいたいと思う子とも遊べない、友達のことを母にけなされる、ということでした。そんなことで友達との関係を絶つわけもなく、反抗し続けて遊んでいました。今でもそうですが、私は友達がいないと本当に何もできません。そんな大切な友達を悪く言われ、何度も母と喧嘩しました」(同)

17歳のリアルとは

書店には「生き方」の本がたくさん陳列されています。しかし、それらの多くはリアリティに欠けています。松谷さんのようなティーン世代がどのように感じ、どのように自分の道を切り開いていこうとしているのか? それらを大人が理解することは簡単ではありません。

17歳といえば多感な時期です。本書は、子育てをしている親御さんや学校で「先生」と呼ばれている人たちに読んでもらいたいと思います。本質に触れることで、何かを感じるのではないかと思います。

悩みを抱えていない子供もいないと思います。お父さんや、お母さんの言うことだけを聞いているいい子ではなく、ちょっと壁にぶち当たっている人にもおススメしたい一冊です。

今回、初出版を実現した、松谷咲さんの輝かしい前途を祈念します。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)