家族4人で最低でも6~7万円?

 こうした声について、デジタルマーケティング会社のプロデューサーはいう。

「大前提として、運営会社であるオリエンタルランドの前年度決算の純利益は過去最高となっており、経営的には現在のシステムや各種施策は大成功という評価になる。現在の仕組みが導入された目的は、かつてひどかった園内の混雑とアトラクション利用時の長い行列での待ち時間の解消であり、それらが以前より大きく解消されたことを歓迎しているファンも多く、実際にファンは昔も今も通い続けている。客側にとっても行列待ちから解放されれば、レストランで休んだり買い物を楽しむ時間が確保できるので、トータルで出費が数千円高くなっても、今のほうがよいと感じる人もいるだろう。レストランもかつては行列で30分待ちくらいは当たり前だったが、モバイルオーダーが導入されて、並ばずに済むようにもなるなど、利便性は向上している。

 チケットや予約のシステムも、今の20~40代、およびスマホを使いこなせる50~60代にとっては全然ハードルは高くない。とはいえ、ハードルが高くなったと感じる人も多いだろうから、結果的に『熱心なファンは行くけど、それ以外の人たちは足が遠のく』という状況が生じているが、アミューズメントパークである以上は足しげく通ってくれるファンを優先するのは当然。ファンにとっては『多少高くなっても混雑が減って、行列に並ばずにアトラクションに乗れるようになった』というのは喜ばしいことだろう。

 金額については、確かに子どもがいる家族が行くにはハードルが高い場所にはなった。1日いれば4人で最低でも6~7万円、高いと10万円くらいは覚悟しなければならない。だが、小旅行感覚で1~2年に1回くらいは行ってもいいかなと許容する向きは一定数いるだろうし、以前からディズニーRに行ける行ける家族4人世帯というのは一定の年収以上に限られていたともいえ、その点はあまり変わっていないような気もする」

 ディズニーRファンのIT企業社員はいう。

「仲の良いファンの子同士でグループで行って、たとえお目当てのアトラクションに乗れなくても“今日は予約が取れた・取れない”“どうすればより効率的に回れるか”などとああだこうだ話をしたりして、園内での体験そのものが楽しいという面があるし、平日17時以降のウィークナイトパスポートだと5000円くらいで入れるので、それを使って安く楽しく方法もある。ファンにとっては2~3カ月に1回、満喫できるとなれば1万円ちょっとの出費は惜しくはないし、結局のところファンは行き続けている。ただ、設備面やサービス面含めていろいろと配慮はされているものの、小さな子どもがいる家族にとってはハードルが高いのが現実だとは思うが、それはディズニーRに限った話ではなく、旅行や他の商業施設に共通したものではないか」

 ディズニーRのアトラクションでは、例えば先にお母さんが利用している間にお父さんが子どもの面倒をみて、その後にお父さんが行列に並ばずに利用できる「交代利用サービス」のように、小さな子どもがいる家族連れに配慮する各種サービスも用意されている。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?