人は時間がないと効果的に働く

皆さんは「パーキンソンの法則」をご存知ですか? 簡単に言えば「仕事はかける時間に合わせて膨張する」という考え方です。

たとえば会議で15分しかなければ15分で決められる議題も、60分あれば60分、時間をかけてしまう。会議ではそんなことも珍しくないのではないでしょうか。これは60分の時間があると、それに合わせて会議のペースが進行していくからです。

もし15分しか時間がなければ、参加者全員が「時間内に決めなければいけない」と集中力を高めて議論します。しかし60分あると雑談をしたり、のんびりと議論をしてしまう。人間とはそういうものなのです。

たとえば会社で残業禁止令が出されたことを想像してみてください。その場合、60分で予定されていた会議も、雑談を省いてなるべく早く終わらせよう──そんなふうに誰もが思うようになるのではないでしょうか。あるいは会議自体をやめるという判断も出てくるでしょう。

日本企業ではまだまだ情報共有のために会議をするという会社も珍しくありません。しかし単なる情報共有なら、関係者にメールすれば十分。会議の時間がないならメールで済ませよう。そんな判断をする人も出てくるでしょう。

人は時間がないと本当に必要なことだけに時間を使うようになるのです。だから働く時間を減らしても、秋本氏も成果を減らさずに済んだのです。皆さんも、身の周りの打ち合わせや会議などを削減できないか、見直してみましょう。

滝川 徹(時短コンサルタント) 1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年6月6日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。