副業に時間を使うためには本業の効率を上げて働く時間を減らさないといけない。そう考える人も多いだろう。しかし実は、効率を上げても働く時間が減るとは限らない。
そう語るのは現役会社員・副業講師の滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』より、副業に取り組む時間を作る秘訣について、再構成してお届けします。
仕事を効率化しても働く時間は減らない働く時間を減らすことを考える時に一番押さえなければいけない重要なポイント。それは、仕事を効率化しても必ずしも働く時間が減るわけではないということです。
たとえばムダな会議や資料を廃止して、月に10時間空き時間を作れたとします。しかしその後、あらたに10時間、別の仕事を引き受けてしまえば、働く時間は全く減りません。盲点・問題は「仕事は無限にある」ことなのです。
会社や個人が売上を伸ばそうとしたり、成長しようとし続ける限り、仕事は無限に増え続けます。目指す売上(目標)には上限がないし、成長にも終わりがないからです。会社や個人は新しい仕事をどんどん作り出 していきます。
仕事は無限に増え続ける。だからこそ、いくら業務を効率化して空き時間を創出しても、その空き時間にあらたな仕事を入れ続けてしまう限り、働く時間は減らないのです。
では働く時間を減らすために我々はどうしたらいいのか。必要なのは「線引き」です。仕事が無限に増え続けることに対し、どこかで線を引くのです。そうしないと仕事が無限に増え続けるのと同時に、我々も永遠に働かなければならなくなるからです。
「線引き」の一番シンプルな方法。それは働く時間、つまり何時間働くか、これを制限することです。いきなり私のように残業ゼロを実践する必要はありません。たとえば普段20時に仕事を終えているのであれば、明日から19時半に仕事を終えるようにしてみましょう。
そうして19時半に仕事を終えることが習慣化したら、次は19時に仕事を終えるようにしてみます。そうして少しずつ、段階的に働く時間を制限していく。そうすればムリなく働く時間を減らすことができるようになります。
働く時間を減らしても成果はほとんど変わらない「働く時間が減るのはいいが、仕事が終わらなくなったり、成果が減ってしまうのでは?」と心配になった人もいるでしょう。意外かもしれませんが、働く時間を減らしても実は成果やこなせる仕事量はほとんど変わらないのです。
例を挙げましょう。『週刊少年ジャンプ』で 年間も連載し、単行本は全201巻にもおよぶマンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(通称:こち亀)の作者の秋本治氏は次のように語っています。
「終わる時間を24時、22時、21時と早めていき、最終的には19時に切り上げるという習慣ができあがりました。(中略)不思議なもので、終わりの時間を繰り上げ、マンガを書く時間を減らしても、できる仕事の量は変わりませんでした」(『秋本治の仕事術「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』集英社)
なぜ働く時間を減らしても成果が変わらないのか。これが秋本氏に限った話ではないことを理解していただくために、働く時間を減らしても成果が変わらない理由をロジカルに説明しましょう。