異常気象は増えていない
もっと問題なのは、温暖化の影響で異常気象が増えているというIPCCの主張が実測データで裏づけられないことだ。IPCCは異常気象が増えていると定性的に述べているが、奇妙なことに数字も図も出していない。
そこでアメリカ政府の熱波についての統計を示すと、次のようになっている。大きな熱波は数年に1度は来るが、その頻度は(1930年代を除いて)変わらない。最近とくに増えたわけでもない。
図3 アメリカの熱波の頻度(アメリカ環境省)
サイクロン(熱帯低気圧)やハリケーンの頻度も、図4のようにほとんど変わらない 。これらの傾向は、ホッケースティック曲線とは対照的である。1900年ごろから急速に気温が上がっているのに、1970年以降も異常気象はほとんど増えていない。
図4 熱帯のサイクロンの頻度(Burn & Palmer)
この矛盾の説明として考えられるのは、ホッケースティック曲線は正しいが異常気象の頻度が低すぎるのか、その逆かである。図3はアメリカ政府の統計、図4は各国政府の統計を集計した数字で、権威ある科学誌Nature Science Reportに掲載されたものだ。
ここから考えると、過去100年間の気温上昇の原因は気候変動だけではなく、UHIのような都市のノイズが含まれているのではないか。あるいは意図的に急勾配のデータを選んでホッケースティック曲線がつくられたという疑惑もある。
温暖化の被害は都市に集中しているが、都市部では温暖化よりUHIの影響のほうが大きい。その対策として脱炭素化は意味がない。
UHIの最大の原因はアスファルトやコンクリートの照り返しなので、建物を木造に建て替えることが一つの対策だ。都市の緑化も重要で、森林を伐採して太陽光発電所を建てるのは論外である。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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