■ジョークだったのか!?

 天文学者のこの発言をどうとらえればよいのか。

 一部の視聴者はコックス氏とチャンネル自体がNASAに対抗するためのブラックジョークを放っただけだと示唆したが、いわゆる“陰謀論”界隈の人々からは格好の“ネタ”として取り上げられたことはいうまでもない。

 ブロガーのジェイコブ・イスラエル氏はYouTubeに投稿した動画の中で「その分野で信頼できる専門家がそのようなことを言うのであれば、それは冗談ではなく、真剣に受け止められるべきです」とコメントしている。

 科学系メディア「IFLScienc」の記事でライターのローラ・シモンズ氏は、もし“第2の太陽”があったとしたら、それはとっくの昔に周知の事実になっているはずだと指摘している。

「太陽系には2つの太陽がある」という信じられないほど愚かな陰謀論とは
(画像=Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

「天文学者は何百年にもわたって惑星の軌道を研究し、そのモデルを構築してきました。軌道のわずかな乱れが注目され、重力によって軌道に影響を与えている他の惑星を発見するために使用されてきました。私たちは、太陽系内に恒星ほどの質量を持つ天体を見逃すはずはありません」(シモンズ氏)

 太陽と同じくらいの大きさの“第2の太陽”がもし存在しているなら、隠そうとしても隠しきれないはずだと考えるのは自然だ。

「潮汐により地球に固定されている月とは異なり、太陽は27日ごとに回転します。つまり私たちは1カ月かけて太陽全体を見ることができます。“第2の太陽”は、地球からは決して見えない正確な速度で、実際の太陽を周回する必要があり、そうした場合でも、太陽系に送り出された宇宙船は、それぞれの異なる視点から太陽を見ることができたでしょう。しかし彼らは見ていません」(シモンズ氏)

 仮に地球上からは“第2の太陽”は常に見えない死角にあったとしても、宇宙望遠鏡などからは容易に検知できそうだ。コックス氏の発言はやはりジョークだったのだろうか。もしそうだとしてもあまり笑えそうにはない。

参考:「IFLScience」、「Express」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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