■懸念されるヒト=ヒト感染のケース

 死亡した高齢の男性は、時折ネズミなどの小動物を狩る野良猫の世話をしており、この野良猫に何度も引っかかれたことがあるという。しかしこの猫はウイルス検査で陰性であった。猫の爪に残っていたネズミのウイルスが男性に感染したのかもしれない。

「今回の新たな症例は、入院と抗ウイルス治療を必要とする重篤なアラスカ痘症の初の症例です。この患者の免疫不全状態は、病気の重症度と最終的な死亡の中心的な要因であった可能性があります。アラスカ痘ウイルスが患者の死に果たした役割を理解するには、さらなる検査が必要です」(ロジャース氏)

 ロジャース氏は医師に対し、特に脆弱な患者に対しては警戒するよう求め、免疫不全患者においては特にアラスカ痘ウイルスの予防に意識を高めるべきであると警告している。

専門家、初の死者を出した「アラスカ痘ウイルス」を厳重警告
(画像=「Daily Star」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 アラスカ痘ウイルスに罹患した者は、皮膚病変のほか、発熱、リンパ節の腫れ、関節痛や筋肉痛などの症状を経験する。

 アラスカ痘患ウイルス感染者の何人かは、最初はクモか虫に刺されたのだと思っており、1人を除いて全員が軽度の症状のまま数週間後には自然治癒したという。つまり確認されていない感染も相当数あることになる。

 さらにロジャース氏は感染者と思われる人物とタオル類や寝具、衣服など肌に直接触れるモノを共有しないように呼び掛けている。そしてアラスカ痘ウイルスによって引き起こされた可能性のある皮膚病変のある人は、患部を包帯で覆うことが求められるということだ。

 物理的距離の面からも気候面からもアラスカ痘ウイルスは日本には縁遠いとは思われるものの予断は禁物だろう。そして今後、ヒト=ヒト感染のケースが報告されることになるのか引き続きチェックが必要である。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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