組合側の今後の対応方針

 ヤマトは労働者側の理解が得られぬまま勝手に契約を打ち切ったが、組合側は今後も交渉を続ける方針であり、法的な解決を求めていく構えだ。

「今回雇い止めになりましたが、私たちは勤務実態上の労働者性があると判断しています。今は雇用保険に加入できていませんが、資格確認をやりますし、70歳を超えている方は高齢者給付一時金になりますので、ハローワークに申請するつもりです。今、労働委員会で争っていますが、失業給付をめぐる問題は、労働基準法と雇用保険法上の労働者性をめぐる問題になってきます。雇用保険法上の問題は、アマゾン配達員の事案において個人事業主が労災保険適用労働者と判断されたのと同じように、労働保険適用労働者かどうかという判断になります。そこの労働者性が認められれば、次は契約期間5年超の契約更新になり、無期転換ルールが適用されます。無期限の労働者になれば、今回の問題は解雇事案として争うことができるようになります」

 昨年10月、通販サイト「アマゾン」の配達を個人事業主として請け負うドライバーが配達中にけがをしたことについて、労働基準監督署が労災として認定した。労災保険から50日分の休業補償が給付されることになったという。個人事業主は本来、労災の対象外だ。しかし、労基署は男性が指揮命令を受けて働く「労働者」に該当し、補償を受ける権利があると判断した。

 朝倉さんはヤマトの件でも、個人事業主であるクロネコメイトに労働者性が認められれば、有期労働者(契約社員、パート、アルバイト)契約期間5年超の無期転換ルールによって突破口が開けると考えている。

(文=横山渉/ジャーナリスト、協力=朝倉玲子/全国一般三多摩労働組合書記長)

提供元・Business Journal

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