バイデン氏の不安

バイデン氏の息子、ハンター氏に3つの罪全部について有罪評決が出ました。トランプ氏の34の罪全部で有罪評決が出たのとは全然違いますが、バイデン大統領にとっては思った以上に堪えている、そう感じます。それがイタリアG7での夕食会の欠席であります。先週はノルマンディ作戦の記念日(D-Day)で欧州を訪れ、2週続きの欧州遠征は81歳の御年にはやはり厳しい試練です。おまけにウクライナの平和サミットはすっ飛ばし、G7後にさっさと帰国し、大統領選活動に精力を出すという予定になっています。

ある意味、よく体が持つなと思うのです。普通の年齢の方にとっても激務だと思いますが、高齢のバイデン氏は運動して健康維持をしているタイプでもなく、傍から見るともはや大統領をやらされている感が非常に強くなっています。おまけに大統領選の世論調査ではトランプ氏にリードを許す状況になっており、劣勢挽回のためには更に鞭打ち、走らねばなりません。しかもまだ第3コーナーから第4コーナーに差し掛かるぐらいの位置で最後の直線のレースではないのです。

とても言葉は悪いですが、民主党はバイデン氏を殺す気か、と思うのです。大統領をもう1期やるのは物理的にも無理であり、バイデン氏に大統領選を辞退させる方が理に適っていると思うのです。もちろん、誰か代わりが務まるのか、という話はあります。まさかハリス氏が候補者では冗談にもならない結果になるのは目に見えています。そこは民主党が英知を絞るべきです。私は史上最もつまらない老々対決の大統領選だけは見たくないのです。仮にトランプ氏が勝つ結果になろうとも民主党はその先を考えた行動をとるべきではないでしょうか?

不満を抱え続けるのはなぜか?

ロシアが和平案を提示しました。ウクライナ東部4州からのウクライナ軍の完全撤退とNATO加盟を諦めること。「ふざけるな」と思うでしょうけれど同地域には旧ソ連時代からのロシア人が多く住んでいたわけで、同国が抱えていた国内問題と不満であり、それにロシアが焚きつけた話です。フランスに目を転じましょう。来月の総選挙では下馬評通りなら極右がリードするとみられていますが、極左を含む左派4党が連合したので、第2党に躍進する公算が高くなりました。マクロン氏が率いる中道は第3党です。国政の想像が全くできません。バラバラです。

都知事戦で立憲の泉代表が蓮舫氏に冷たいコメントをしました。「立憲民主党として推薦や支持は現在考えていない」と。蓮舫氏が小池氏同様、無所属で勝負としたこともあるのでしょうが、泉氏は蓮舫氏の厳しい発言に不満で疎遠関係とされています。泉氏個人としては追い出し成功、「しめしめ」でしょう。というより蓮舫氏は立憲の中での立ち位置が疑問でした。同じ釜の飯を食う仲間同士ですら相互関係維持が難しくなってきた、これが現代社会であります。

泉健太代表と蓮舫参議院議員 立憲民主党HPより

岸田首相と麻生副総裁の関係もぎくしゃくしているとされます。私はそんなのは風邪と同じで1週間もすれば治ると思いますが、世界中で人々は自分の意図した通りにならないことにいら立ちを感じています。これは政治だけではなく、我々一般社会でもそう。一つにはミーイムズが世界全般的な広がりを見せていること、あらゆる事象が人気投票化し、可視化できる社会においてゲーム理論が先行していることがありそうです。かつてかけっこで「全員1等賞」という時代もあったのです。今それを言ったらはたかれそうです。それぐらい時代はギスギスし、ストレスをため、不満だらけの社会になったということです。

後記 カナダの医療は無料だが質が悪いとされてきましたがそれは過去の話。放置して病状が悪化し重大な疾病になると余計に金がかかるとカナダ政府は気がつき、今では予防措置に全力です。おかげで私は定期チェック項目が4つぐらいあり、年中検査。一昨日も半年ごとの超音波検査。バンクーバー最大級の病院で検査予約は朝7時半。10分前に行くと人で溢れています。結果は2時間後に私の担当医に連絡が行き、電話でやり取りという具合です。ちなみに処方箋も今は全部電子化。便利になりました。

では今日はこのぐらいで。。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月15日の記事より転載させていただきました。