イタリアの左端にあり、地中海に浮かぶ島・シチリア。「イタリア料理」ならイメージがつきやすいものの、「シチリア料理」となると、どんな料理かわからない方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、シチリア料理の全体像に触れながら、有名なシチリア料理12選とスイーツ5選を、現地のお店での食レポ付きでご紹介します。シチリア旅行を予定、ご検討されている方もぜひご覧ください。
目次
1. シチリアの食文化
2. シチリア料理はどんなもの?
1. シチリアの食文化
シチリアの主食は「パン」や「パスタ」です。
朝食は、ベーカリーやカフェでパンを片手にエスプレッソなどを飲むのが一般的となっています。
パンの種類はさまざまです。シチリア独自のパンや、ナポリ発祥のパン、コルネッティ(イタリアのクロワッサン)など本土と共通のパンもあります。
お店では陳列の仕方が非常にうまく、思わず手を伸ばしたくなるほどです。
昼食や夕食には、パスタがよく食べられています。
新鮮な魚介を使ったものや、栗を使った「パスタ コン レ カスターニャ」のようなシチリア特有のパスタも見かけました。
昼食時からシチリアのワインを楽しまれている方もいます。
また、アランチーニ(ライスコロッケ)やカンノーロ(シチリア発祥のデザート)は時間帯を問わず食べられていました。
アランチーニは揚げ物ですが、ベーカリーにも必ずと言っていいほど並んでいます。
空港の免税店にまでカンノーロが販売されていたのは驚きでした。庶民の生活に根付いた料理なんだと実感した瞬間です。
2. シチリア料理はどんなもの?
シチリア料理はさまざまな国の影響を受け発展してきました。アラブやスペイン、ギリシャなどに支配された過去をもつからです。
たとえば、ピスタチオやサフラン、タロッコ(ブラッドオレンジ)はアラブの影響を色濃く感じる食材となっています。タロッコを使ったリキュールも有名です。
地理的に複数の国に囲まれているため、周辺諸国から影響を受けた料理が見られます。北アフリカにルーツをもつ「クスクス」がその一例。
また、新鮮な魚介類はシチリアを代表する食材と言ってよいでしょう。イワシ、マグロ、メカジキ、タコ、イカなどが主要な魚介類です。
シチリア最大の都市「パレルモ」で市場を歩いていると、新鮮な魚介が店頭に並んだお店を多く見かけます。早朝から買いに来る地元の人もおり、魚介が日常生活の一部だと感じました。
また、レストランのメニューにも魚介料理が数多く載っています。調理法も「生」「グリル」「揚げ」とさまざまで、前菜からパスタ、メインまで魚介が使われています。
メインがお肉の傾向にあるヨーロッパで、これだけ魚介料理が豊富なのも珍しいと感じました。