野良猫から宇宙飛行士に!フェリセットの偉業

フェリセット (Félicette)は元々、パリの街中を放浪していたメスの野良猫でした。
彼女はペット業者によって保護されたのち、ネコの打ち上げ計画を進めていたフランス政府によって買い取られます。
1963年、フェリセットが訓練所に到着すると、他に13匹のメス猫がいました。
彼女たちも宇宙飛行士の候補生として訓練に参加させられていたのです。
メスが選ばれた理由としてはオスよりも大人しい性格で、宇宙船の閉所にも適応しやすいと考えられたからだといいます。
フェリセットを含む14匹のネコは人間の宇宙飛行士と同じように、遠心分離機で高速回転させられる耐G訓練や、小さな容器に閉じ込められたり、布で何時間も拘束されるなどの過酷な訓練に耐え抜いています。
また訓練中のネコの神経活動を監視するために、脳内に電極も埋め込まれました。
こちらが実際の耐G訓練の様子。
そして1963年10月18日午前8時9分、フェリセットはフランスの観測ロケット「ヴェロニクAGI47」に搭乗し、宇宙空間へと打ち上げられました。
フェリックスの任務は弾道飛行であり、地上から高度157キロ(※)に達した後にUターンして、地球へと帰還しています。
(※ 国際航空連盟は地上から高度100キロ以上を「宇宙」と定義している。なおアメリカ空軍は高度80キロ以上を「宇宙」としている)
計13分間という短い飛行でしたが、フェリセットはその間に宇宙空間に突入し、そのうち5分間は無重力状態を経験したといいます。
フェリセットは宇宙に行った史上初にして唯一のネコとして歴史に名を刻んだのです。