■砂糖のプロは「湿度が原因」と推測

会員相互の連絡協調をはかり、砂糖および精糖業の社会経済的・ 技術的調査研究を行うことによって精糖業の発展を促進することを目的に活動しているのが、今回の取材を快諾してくれた精糖工業会。

わたあめに使用される砂糖について、同会の担当者は「通常、白ザラ糖です」と回答する。

こちらの砂糖は粒径が大きく、純度の高い結晶が特徴で、わたあめの他に高級菓子やリキュールの製造、カルメ焼きなどの原料に用いられるという。

担当者は続けて、「わたあめは砂糖の『状態変化』を利用していると言えます。状態変化とは、物質が温度などの変化によって、固体が液体・気体状態に変化することです」と、わたあめの特徴について説明する。

わたあめは調理の際、砂糖(白ザラ糖)を加熱することで固体から液体に変化し、遠心力を利用して細かな編み目から外に飛び出し、冷却されて繊維状になって固まる。これを割り箸などで巻き取れば、お馴染みの「わたあめ」が完成するのだ。

精糖工業会の担当者曰く、このように高温で溶かし、急冷して固めた砂糖は「非結晶」(アモルファス)になるという。

担当者はさらに、「アモルファスの砂糖は吸湿性があることから、外気の湿度に影響されます。わたあめのような状態の場合、外気の湿度によりベタベタになったり、縮んでしまうと思われます」「さらに、結晶砂糖は表面積が小さいけれど、わたあめのようなアモルファスの砂糖は表面積が大きいため、直ちに吸湿するものと思われます」とも分析していたのだ。

「直ちに吸湿する」「外気の湿度により縮む」という2点は正に今回、madokaさんのお子さんのわたあめに見られた現象だろう。

また、精糖工業会は「確認をしたワケではありませんが…」と前置きしつつ、「色のついたわたあめは着色料が加わっているため、一般的なわたあめより吸湿性が高くなるのではないでしょうか」とも推測していた。

つまりわたあめを味わううえで注意すべきなのは「温度」でなく、「湿度」だったのだ。その日の気候によってはわたあめとの戦いは「スピード勝負」となることを、肝に銘じておきたい。

顔より大きな綿あめ、5分後の悲劇にゾッとした 砂糖のプロが明かす「意外な敵」に驚き…
(画像=『Sirabee』より引用)

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