私の医院で起こった出来事

ある時、スタッフがミスをしました。松谷さんがその原因と対策を聞いたところ、次のようなやり取りがあったそうです。

「そのスタッフは、『はい、改善いたします』と言わないで、『〇〇さんに言われたんです』とか、『この医院に来た時に教えられたんです』と言いました。 つまり、自分は悪くない。教えられた通りにやっただけ、ということでした。考え方を変え、言葉を変え、行動するように促しました。でも、半年間『〇〇さんに言われたんです』と言い続けました」(松谷さん)

「このような習慣がついている人は人生においても、自分の理想には近づけません。私は半年間、伝えることは伝えた上で半年待ち、決意して言いました。この診療所内で、何かトラブルが起きた時に、『〇〇さんから聞きました、とか、自分には何の責任もない言葉を言ったら、即退場!もう2度と医院には戻ってこないでください』と伝えました」(同)

結果はどうだったのでしょうか。松谷さんは覚悟して言葉を伝えたところ、その日を境に、全く言い訳することは無くなったそうです。

言葉には言霊という力があります。ネガティブなものはポジティブに変えましょう。言い訳する言葉をやめたら、仕事が改善します。言葉を変えて、行動につなげていきましょう。新しい気づきがあるかも知れません。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)