日本発の高級家電であるというブランドを引き続き強化すべき

 バルミューダにとって再成長のために必要な施策は何であると考えられるか。前出・鈴木氏はいう。

「前述したように、まずは赤字を止めて緊急避難的に黒字化することが財務体質を維持するためには必須です。そのうえで今後の日本市場では円安が長期化しそうである点と、少子高齢化が続く点を考慮すると、再成長のためにはプラスアルファの戦略が必要になるはずです。

 考えられる戦略のひとつは、日本発の高級家電であるというブランドを引き続き強化していくこと。リストラの結果、商品イメージまで悪化するような間違いを決して起こさないように商品価値に目を光らせることが重要です。その延長線上ではもう一段、商品ブランドイメージが上のレベルになる必要があるかもしれません。具体的には価格が1.5倍に設定されたとしても消費者がバルミューダを選ぶくらいの製品イメージ向上を狙うべきです。

 もうひとつはアジア展開です。今回、韓国市場の売上が大幅に縮小したことで、足元のバルミューダはほぼほぼ日本市場一本足打法の展開になってしまいました。円安、少子化が進む前提で考えると、この状況は好ましくありません。つまり韓国以外のアジア圏の中流の上からプチ富裕層がバルミューダを支持するように多国展開を進めるべきです。香港、シンガポール、マレーシア、タイといった高範囲のアジアでバルミューダブランドが浸透していくように構造を変えていかないと、再成長は見込めないでしょう」

(文=Business Journal編集部、協力=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

提供元・Business Journal

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