積極果敢な取り組みは成果も生んでいる

 同社は今回の業績悪化の理由として、以下を挙げている。

・想定以上に厳しい外部環境の影響を受けて売上高が減少
・原材料価格の高止まり
・記録的な円安ドル高による仕入コストの上昇
・旧品在庫のセール、評価減により売上総利益率が低下
・携帯端末事業の終了決定に伴い特別損失を計上

 そして、施策として

・製造コスト低減・価格改定による利幅の改善
・売上規模に対応した組織・人員体制の再構築
・国内外における製品ラインナップの拡大

に取り組むとしている。

 厳しい環境に直面し、同社は手をこまねいているわけではない。中国と米国でオープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」を、韓国で電気炊飯器「BALMUDA The Gohan」を、台湾でオーブンレンジ「BALMUDA The Range」を、タイ、マレーシア、シンガポールで「BALMUDA The Toaster」「BALMUDA The Pot」を発売し、海外展開を加速。また、「BALMUDA The Range」「BALMUDA The Toaster」「BALMUDA The Toaster Pro」のリニューアルモデルも投入した。

 こうした積極果敢な取り組みは成果も生んでいる。23年12月期第4四半期連結会計期間の国内家電売上高(携帯端末関連を除く)は過去最高を更新。昨年10月に発売したホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」が発売初週で累計出荷台数5000台を突破するヒットを記録したことも話題となった。