筆者撮影

「ヨーロッパのシリコンバレー」として知られるフィンランドだが、首都ヘルシンキは過去に「ワークライフバランスに優れた都市」として世界1位をとっていることでも名高い。ちなみに2023年3月にRemoteが発表したワークライフバランスに関するランキングでは、フィンランドは60か国中15位、日本は38位だ。

本企画では、フィンランドに住む筆者が人々の暮らしの様子を写真とともに伝えながら、社会にイノベーションを起こしているスタートアップ事業に着目。事業者へのインタビューをまじえながら現地からレポートする。

今回は、オフィスの労働環境を管理するIoTシステムを提供するHaltian社を直接取材した。

夏休みシーズンに入った6月のフィンランド

ピクニックでソーセージを食べるのがフィンランド流(筆者撮影)

フィンランドでは、6月から学校が夏休みに入る。子供たちは10週間、そして大人もしっかり休みを取るのだ。

フィンランドは、1年の半分くらいが“冬”。長くて、寒い、そして暗い冬を過ごしてみると、太陽の光や暖かさ、夏のありがたみが身に沁みる。四季があるとはいえ、冬に比べて極端に短い北欧の夏を、勉強や仕事をひとまず忘れてしっかりエンジョイするのがこの国の文化として根付いている。

午後10時で、この明るさ。市場のおまわりさんToripoliisiはオウル市のアイコン(筆者撮影)

“フィンランドには1か月の夏休みがあるらしい…”そう聞いたことのある人もいるかもしれない。実際に現地では、有休30日のうち4週間を夏休みにあてる人が多い。

それだけではなく、有休中はなんとお給料が約1.5倍になるのだ。日本人の私なんかは「休暇中って何かとお金つかうよね」と、雇用者側も気を使ってくれているんだなと勝手に良い方に解釈をしてしまう。

夜の8時でも明るい街中(筆者撮影)

ここで、やっぱり日本人の私が勝手に心配してしまうのは「ところで、休み中は誰が仕事をしているの?」である。

一昔前だと、会社の休憩室においてある原始的な手書きの夏休みスケジュールで同僚の休みを確認することも。ときには、勤務中のはずの同僚が会社中を探しても見つからず、じつはサマーコージからリモートで仕事をしていたことが判明するなど、何かとスタッフの居場所や勤務状況がわからず悶々としてしまうこともあった。

もちろん夏休みに限らず、こうした出来事は起こりがちだ。オフィスや施設が広ければ広いほど、「○○さん、どこ行った?」ということがあるのは日本でも同じだろう。

こうしたオフィスの労働環境を多角的なアプローチで管理するシステムを作っているのが、フィンランド・オウル市に本社を置くHaltian(以下、ハルティアン社)である。