天井の崩落に気づいたSwitcheeのシステム
さらに、このシステムは「部屋の異常」の検知にも一役買っている。The Guardianの記事によると、Switcheeのシステムが寝室の天井が崩落した湿気の多い住宅を特定したという。この部屋に住んでいたシングルマザーは、前の住居で理不尽な立ち退きを強いられていたため、苦情を言うことができなかったとのこと。
住宅のIoT化により情報が「見える化」されるため、管理者は不都合な事実を隠蔽することができなくなるのだ。
500万ポンドの資金調達に成功
そんなSwitcheeは7月、既存投資家のAXA IM Altsと新規投資家のOctopus Venturesから500万ポンドの資金を調達した。2015年の会社設立から、これまでに3万5,000台のデバイスを提供してきたSwitchee。今後は5年から10年以内に100万世帯にシステムとデバイスを普及させる計画を立てているという(参考:The Guardian)。
労働者の生活の基盤である公営住宅の長足進化は、結果として都市環境の再構築につながっていくことも期待される。
(文・澤田 真一)