5年後を見越してプロジェクトのキャンセルを決断
formlabs側の公式ニュースでは、同社CEOのMaxim Lobovsky氏とmicronicsの共同設立者Henry Chan氏との対談動画を公開。買収に至る経緯や今後の展望などについて語っている。
両社の出会いはサンフランシスコで6月に開催されたOpen Sauce 2024の最終3日目、6月17日のことだ。micronicsの2人に会うためにLobovsky氏がブースを訪問。「3Dプリンターをアクセスしやすく、低価格なものにする」というビジョンを共有していると気づくのに時間はかからなかった。
Lobovsky氏はmicronicsの開発力について「ここまでの少人数・小規模、短期間・少ない資金でポリマーパウダーベッド方式を実現できたチームは存在しない」と高く評価。大成功中のプロジェクトをキャンセルした時の思いを聞かれたChan氏は「難しい判断だった」と認めつつ、「より大局的に、かつ5年後を考えると正しい決断ったと思う」と回答している。
ハードウェアのスケーリングには10年近くかかるところをformlabsの豊富な経験と既存顧客ベースからのフィードバック、カスタマーサポートによって短縮できるうえ、「僕たちはより高度なレベルのシステム構築に専念できる」とした(ちなみに、Micronの31×33×70センチというサイズについては「香港出身なのでなんでも小さくしたくなるんです」とのこと)。
ユーザーの頭の中の作りたいものを「形にする」手助けを目指す両社。今後2030年までCAGR23.5%での成長が見込まれる3Dプリンター業界で、彼らがどのようにビジョンを形にしていくのか注目したい。(文・Techable編集部)