既存客のリピートだけで営業する、実質的な会員制のような状態になっているところもあります。

更に予約困難店の中には、圧倒的なコスパで人気となっているお店もあります。

低価格で営業する料理人としての努力は素晴らしいと思いますが、材料や手間暇にコスト面での限界があります。妥協のない味やサービスを追求することはできません。高くても良いから美味しいものを食べたいという人にとってはニーズに合っているとは限らないのです。

予約困難店は運よく予約が取れたとしても、ピンポイントに決められた日時に行かなければなりません。当日体調が悪かったり、別のものが食べたかったりしても変更はできないのです。そこまでの制約を受けてもわざわざ行ってみたいと思えるお店は、実はそれほど多くはありません。

むしろ、いつでも簡単に予約が取れるお店の中に素晴らしいお店がたくさんあったりします。

食の好みは人それぞれです。人の意見は参考にはしても鵜呑みにしない。そして、自分が好きなお店に気が向いた時に、気の置けないメンバーとふらりと行けたりするのが実は一番満足できたりします。

料理はロジカルなものですが、外食は気分で決まる極めてエモーショナルなものなのです。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年7月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。