TOCANA読者なら杉沢村伝説をご存知だろう。青森県の山中に存在し、かつて村人全員が惨殺されるという陰惨な事件の末に地図からも消されたが、現在もその廃墟には村人の亡霊がさまよっている……という噂話だ。2000年代にテレビなどで報じられて大きな反響を呼び起こした都市伝説は今なお多くの人々に愛されている。
実は、杉沢村伝説に似たような噂話がアメリカにも存在する。一人の男がラジオで話したことがきっかけとなり、多くの人々を魅了して、今ではWikipediaにも登録されている「メルの穴」と呼ばれる奇妙な底なし穴の話である。
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■きっかけはラジオ番組
伝説の始まりは1997年2月21日に放送されたラジオ番組「Coast to Coast AM」だった。番組のゲストであるメル・ウォーターズ氏は、ワシントン州エレンズバーグ郊外に存在する不思議な底なし穴について語った。
ウォーターズ氏曰く、その穴は地元の人々に古くから知られており、「悪魔の穴」と呼ばれていた。穴の大きさは2~3メートルほどで、深さがどのくらいなのかは誰も知らなかった。何かを投げ込んでも、底に当たった音は聞こえてこなかったという。穴は1メートルほどの石の壁で囲まれており、4~5メートルほどの深さまでは手積みのレンガで補強されていたという。地元の先住民たちはこの穴を呪われていると恐れており、動物も近寄らなかった。