近代物理学の礎を築いたアイザック・ニュートンは科学者である一方で敬虔なキリスト教信者であり、聖書研究の一環で世界の“終末”の日を計算していたという。ニュートンの計算によればこの世の終わりは2060年だ――。

■ニュートンが導き出した“終末の日”

“物理学の父”ことアイザック・ニュートン(1642-1727)だが、その研究の中には存命中には公表されていなかったものも少なくなかった。そうしたニュートンの死後に明らかになった研究のひとつに聖書研究がある。

ニュートンが世界の終わりを予言していた!? 20●●年……もうすぐだった!
(画像= ,『TOCANA』より 引用)

 カナダ・キングスカレッジ大学の科学技術史教授で 「ニュートン・プロジェクト・カナダ」のディレクターであるスティーブン・スノベレン氏は、ニュートンは信仰心に篤かったが、終末の日の日付は自身の宗教的信念に基づいていると説明している。ブログ投稿の中で彼は次のように説明した。

「ニュートンは神を信じており、聖書は神からの啓示であると信じていました。彼はまた、神は人間のように時間に拘束されず、“最初から終わり”までを見ることができると信じていました」(スノベレン氏)

 つまり聖書が書かれた時点で、神は人類の終わりを見通していたことになる。

「したがって、ニュートン自身の言葉を借りれば、彼は聖書の『聖なる預言』は『来るべき事柄の歴史』にほかならないと確信していました。同時に、聖書の預言は非常に象徴的な言葉で書かれており、熟練した解釈が必要です。ニュートンは預言者の言葉から世界の未来を発見しようとして、この課題に立ち向かいました」(スノベレン氏)

 ニュートンは終末の日の日付を知るために、紙の上でいくつかの方程式を計算した。スノベレン氏は、その計算はさまざまな時代に基づいた「子供でも実行できる簡単な算術」であると説明している。

 ニュートンが試みた計算のメモにはさまざまな聖書的な数字が登場するのだが、大まかに言えば教会の堕落から終末に到るとされる「1年と2年と半年」の期間を、3年半と解釈して1260日となり、それを現実世界の1260年に読み替えている。

 ニュートンは教会が堕落したのは西暦800年であると特定しており、そこから1260年年後の西暦2060年までは終末はやって来ないことを導き出したのだ。

「獣は王国の年月に代えて置かれており、1260日という期間は、紀元800年から数えると紀元2060年に終わることになる。もっと遅く終わるかもしれないが、もっと早く終わる理由は見当たらない」(ニュートンの遺稿より)

ニュートンが世界の終わりを予言していた!? 20●●年……もうすぐだった!
(画像=ウィリアム・ブレイク作「ニュートン」(1975年) 画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)