世界の味シリーズについて、大使館からの反応は?

―――そのように現地のレシピと大幅に変えているパターンもあるのですね。世界の味シリーズは、今回のアルゼンチンの「チミチュリソースハンバーグ定食」で10カ国目ですが、売り上げの1位、2位を教えていただけますか。

単価がそれぞれ違うので明確には言えませんが、1位はやはりシュクメルリです。2位は……世界の味シリーズというくくりで言うと、大使館の方から提案をいただいてスタートしたメニューは「ポーランド風ミエロニィハンバーグ定食」からなので、比較対象が難しいかもしれません。それまでは独自開発で、後から大使館の方が注目されたというパターンなので。

―――世界の味シリーズについて、各国の大使館の方から多く反響をいただいているかと思うのですが、どういった声が多いのでしょうか。

「こうした方が現地らしい味になる」といった現地の味を知る方ならではのアドバイスをいただくこともあります。当社としては松屋オリジナルのご飯に合う味に仕上げています、と伝えつつも、大使館の方の声も聞きながらバランス良く、料理の魅力が伝わるように開発を進めています。

ポーランドの時は、先方から提案をいただいた企画なのですが、テスト販売時に大使館の方がいらっしゃって、「ポーランドを思い出す味だね」という評価をいただいています。そこからさらに細かく味の開発を進めて、全国販売に至りました。

オファーが来ている国はどこ?

―――現在、オファーが来ている国はどこなのでしょうか。

ジョージア周辺の国が多いです。現段階で公表できる範囲で言いますと、リトアニア、オーストリアです。オーストリアは政府観光局の方と相談しながら、リトアニアは大使館の方々と相談しながら企画を進めています。

―――1つの国に対して、2種類以上のメニューを出すことは考えていらっしゃらないですか。

今のところ予定はないのですが、もちろん美味しい料理があれば開発したいという気持ちは常に持っています。

―――オファーが来る国についてはお聞きしましたが、逆にその松屋さんの方から各国の大使館にオファーをしたことはありますか。

今回のチミチュリハンバーグがそうです。弊社側で企画・開発を進めていたのですが、せっかくなら現地の味を知っている方に食べてもらいたいということで、こちらからアルゼンチン大使館側に「ぜひ食べてください」というオファーをしました。

―――アルゼンチン大使館の方の反応はどんな感じでしたか。

ご賞味いただいて「とてもおいしい」と、好評をいただきました。


インタビュー後編では、松屋フーズの企画担当者・熊谷雄樹さんに、新商品のヒントとなるポイントや味のこだわりなどについてお聞きしました。



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