牛丼チェーン「松屋」が、5月21日(水)からアルゼンチン発祥のソースを使った「チミチュリソースハンバーグ定食」を販売しています。各国の郷土料理をメニュー化した世界の味シリーズの新作で、毎回意外性にあふれたそのラインアップに「今度はどこの国の料理なのか」と注目している人も多いのではないでしょうか。
今回、U-NOTEでは、松屋フーズの企画担当者・熊谷雄樹さんに、世界の味シリーズのきっかけとなったジョージアの郷土料理「シュクメルリ定食」発売に至るまでのお話や、アルゼンチンの「チミチュリソースハンバーグ定食」のこだわりなどについてお聞きしました。
あの「シュクメルリ」は東京オリンピックに向けたものだった
―――世界の味シリーズの発端となった、「シュクメルリ」発売に至るまでの話をお聞きしたいです。
シュクメルリは、もともと東京オリンピックイヤーの2020年に向けて、世界の味を日本のみなさまにお伝えしたいというテーマで、ニンニクソースがマッチした当社の強みとしている肉料理メニューとして発売しました。
2019年12月末に一部店舗でテスト販売をした際、ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使にX(旧Twitter)で取り上げていただいたのがきっかけでヒットして全国販売が決定し、そこから世界のコラボシリーズがはじまりました。最初は世界の味シリーズとして大々的に行う流れではなく、シュクメルリもジョージアと最初からコラボしたわけではなかったのですが、大使に注目されたことで話題になり、シリーズ化となりました。
―――世界の味シリーズは、どんな基準でコラボする国やメニューを選んでいるのでしょうか。
基本的には日本のご飯に合う料理や、毎日食べたくなるような味のメニューが開発できれば、採用していこうと考えています。
もちろん、日本で多くの人が知っているようなメジャーな料理という王道路線という手もあるのですが、世界にはまだ知らない料理がたくさんあるので、ご飯に合うものであれば日本ではマイナーな料理でもどんどん伝えていきたいと思っています。
「ご飯に合う」が商品化のポイント
―――商品化する・しないの決め手となるポイントはどんな部分ですか。
「ご飯に合う」というところです。海外の料理だと、おかずだけで完成された味でもご飯とはちょっと合わなかったり、パンなどご飯以外の主食に合わせた味の料理が多いと思います。なので、弊社では基本的に現地の味をそのまま再現するというより、ご飯に合う、松屋オリジナルの味に仕上げるように開発しています。
―――過去の世界の味シリーズで、もともと現地ではご飯以外の主食であるパンなどに合わせて食べている料理というものはあるのでしょうか。
シュクメルリはまさにそうで、ジョージアではパンと一緒に食べる料理です。あとは、ポーランドのミエロニィハンバーグは、現地ではポテトと一緒に食べるのですが、松屋ではご飯に合う味にアレンジして開発しました。
―――ご飯に合う味にアレンジするポイントとは?
詳しくは企業秘密になってしまうのであまり言えないのですが、たとえば醤油をちょっと足すなど、和食で使うような調味料を加えたり、ご飯に合う具材を加えたりするなどして味の調整をしています。
今回の(アルゼンチンの)チミチュリソースだと、トマトを入れているのが大きな特徴です。輸入食品店で売っているチミチュリソースを見ていただくとわかるのですが、緑色をしています。現地でも緑色のソースを想像する人が多いのですが、中にはトマトが入っているレシピもあるんです。社内で検討した結果、トマトが入っている方がご飯に合うとわかったため、今回はトマト入りの赤いソースを松屋オリジナルとして開発しました。