今回は読者リクエストからの、ネット詐欺潜入調査です。届いたメールによると「近ごろX上に“上野○香”というアカウントが量産されている。あまりに怪しいので気になる」とのことでした。
そこでサクッと検索してみると、でてくるでてくる……実に110個もの「上野○香」アカウントが量産されていました。なぜこんなにも大量に同じ名前のアカウントが作られているのか?目的を調べてみました。
■ 読者から送られてきた怪しげなXアカウント
X上に110個ほどある「上野○香」アカウント。もはや「上野○香軍団」といっても過言ではありません。
詳しくみていくと、全て同じ名前「上野○香」で、プロフィール欄をみると多くは「田原先生」という人を崇めているようです。
プロフィールにはURLも書かれています。クリックしてその先を見ると……「田原先生」の正体が判明。あの朝まで生テレビ!で有名な「田原総一郎氏」のことでした。勿論、本物の田原氏がX上にて変な接触の仕方をしているわけがありません。これは思いっきり「有名人なりすまし詐欺」。
そして「上野○香軍団」の役目は、投資(実は詐欺)への窓口役といったところでしょう。このまま進むと恐らく、投資グループのLINEに加入させられます(予言)。
あっさり「上野○香軍団」の役目がわかったところで、折角なので今回は「有名じゃない人」のリンクを選んでみることにします。(有名人のなりすまし詐欺は過去に散々潜入しているため)
すると、有名人ではない人のLINEワークスのリンクやWhatsAppのリンクがでてきました。とりあえず「高橋○○(=高ははしごだか)」というLINEワークスのアカウントと繋がってみます。
■ やりとりがはじまる
「LINEワークス」のアカウントを追加すると、すぐさま「高橋」とのやり取りが始まりました。少しやりとりしてわかったのが、勧誘窓口の「上野○香」軍団では「田原先生」を崇る人が多かった一方、誘導されて接触した高橋は「伊藤康之先生」という人物を崇めていました。
しかもどうやら高橋は「先生役」ではなく、先生に繋ぐパイプ役。LINEを舞台にした詐欺の手口でよく出てくる「アシスタント」という位置づけでした。
このとき、支持する人の違いは別に気にすることもないか、と思いスルーしたのですが……伊藤先生の存在は後々、重大な意味を持つことに気づくのです。
その後、しばらくすると「LINEグループ」に誘われました。はい、お約束キター。ネット詐欺では「いつもの流れ」なので、とりあえず参加。