混乱を経て国外進出を果たす

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そんなBetter HRはミャンマー国内だけでなく、スリランカやカンボジアへ進出を果たしている。また、シンガポール、ベトナムでも利用可能としている。

ここで話を休暇申請機能に戻すが、これは各国の労基関連の法律に基づいていなければならない。「年間何日有給休暇を取得しなければならない」というような法律も当然存在するが、Better HRでは各国の法令に合わせた「ポリシーのカスタマイズ機能」も用意している。各国の法律に合わせた適切な従業員管理ができるのだ。

2024年3月の時点で、ミャンマー、スリランカ、カンボジアの380社がBetter HRのプラットフォームを導入している。6月に実施したスウェーデンのBlibrosとシンガポールのSatori Giantsからの資金調達により事業範囲を拡大し、追加のオフィスを開設する予定だとしている(プレスリリース)。

ここで、Better HRは今回の資金調達までに極めて大きな危機を迎えていたことも言及しなければならない。2021年のミャンマー軍事クーデターにより、ヤンゴンのオフィスは一時閉鎖を余儀なくされたのだ。

オフィスの再開は2022年3月。そこからBetter HRは急速に息を吹き返し、同年5月にスリランカ・コロンボ、2024年にカンボジア・プノンペンに国外オフィスを設立するに至った。困難を乗り越え、さらに事業拡大を目指す同社の成長に期待したい。

(文・澤田 真一)