まずは鉄板の不就労
方法は2つあると考えています。1つ目が「不就労」です。
病気による休職が続いたり、仕事ができない場合のことを不就労といいます。正当な理由なく2週間の無断欠勤を続ければ懲戒解雇の理由になるでしょう。
ところが、長期の地方出張や、営業職の直行直帰などを会社が勝手に「不就労」とし、労働者が気づかぬ間に解雇になっていたという驚きのケースがあります。出張から戻ったら、懲戒解雇になっていたなんて考えたくもないですよね。
争いになった場合、上司の出社を命じた履歴がないと不利になります。すでに、会社との関係性が悪化している場合、上司はすべてを口頭で指示するでしょう。メールでの履歴が残らないようにするためです。
出張後、数回、上司から「なぜ出社をしないのか!」と問いただすメールが届いているはずです。
会社の規則でPCは持ち出しができません。このような会社であれば、上司のメールは出社しない限り確認することができません。これが履歴としての証拠になります。
社員が見ていようが見ていまいが構わないのです。会社の単なるアリバイづくりです。関係性が悪化すると、会社への連絡が途絶えがちになりますが、自らのリスク回避のためにも自分にとって有利な履歴を残しておく必要性があるでしょう。
次も多い業務命令違反2つ目が「業務命令違反」です。会社において労働者は上司の業務指示に従わなければなりません。指示命令系統があり、社員はそれにのっとった行動が求められるからです。
もし部下を解雇に追い込みたい場合、上司は詳細な行動管理を行うはずです。それこそ分単位の日報を記入させて何時間もかかるようなフォーマットを用意するでしょう。
そのときに考えられる上司の業務指示は次のようなものです。
① 一日100件の飛び込み営業をやってこい。名刺も100枚集めろ! ② 丸の内で片っ端から通行人に声を掛けて商品を売ってこい! ③ 一日中、営業電話を掛けてアポをいれろ!1日に500件は掛けられるだろう!
拒否すれば「業務命令違反」だとちらつかせるのです。このような状態に追い込まれてしまったら、会社と交渉するにはかなりの労力が必要です。争えば勝てるケースが多いかもしれませんが、最終的に手元に残るのは月額給与の数か月分と言われています。
早めに次の仕事を見つけたほうが得策と言えるでしょう。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
■
2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)