教育やゲーム、軍事産業でも高い潜在性が見込まれるARおよびVRスマートグラスの世界市場。Research and Marketsの報告では今後CAGR15.8%で成長を続け、2030年までに推定228億ドルに達すると予測されている。

ARグラスの分野で躍進目覚ましい中国企業の中でも、2023年にユニコーンとなったRokid(霊伴科技)が好調だ。1月には合肥市主導で100億円の資金を調達。4月に発表した最新ARグラス「Rokid AR Lite」は、7月11日にKickstarterでのクラウドファンディングプロジェクトが終了したばかり。
2000人以上の支援者から日本円で1億8000万円もの資金を集めるという大成功を収めた(現在も残りリワードに対して遅延プレッジが可能)。6月から日本の量販店で販売開始された同社製品のうち、「Rokid Max」も日本のクラファンサイトで1億円の資金を集めた実績がある。

グラスとコントローラーのセット「Rokid AR Lite」

新製品「Rokid AR Lite」は、ARグラスとコントローラーをセットで提供する空間コンピューティングデバイス。グラス(ディスプレイ)は重量75グラムの「Rokid Max 2」、コントローラーは「Rokid Station 2」となっている(Rokid Max 2はMaxの上位モデル)。

Image Credits:Rokid

センシングやコンピューティング、バッテリーモジュールなどの機能が集約されたコントローラーは、マルチタッチ対応のタッチパッドで操作を行う。現実の空間に仮想空間を重ねるOST(光学シースルー)方式採用により、手元のコントローラーでアプリを操作できる。

Image Credits:Rokid

300インチの大画面は輝度最大600nits、解像度(片目)1080P/1200P、コントラスト 100000:1で高い映像品質を実現。3画面表示モードでは、3つのアプリを同時に使用できるので、作業画面を表示しながら映画を流したりゲームを進めたりのマルチタスクが可能だ。

家庭・エンタメ・旅行の3つのシーンでの利用を想定したという製品で、ビデオ会議や文書編集などの業務はもちろん、マップやナビとしても活躍する。パソコンやスマートフォンなどのデバイスとワイヤレス接続できるほか、USB Cポートを備えたRokid Hubを使えばNintendo Switchにも接続可能。