2.リストラする時にはまず非正規雇用労働者から

企業が業績悪化などを理由として従業員を整理解雇しなければならない状況に陥った時、正社員の前にまずは非正規雇用から先にリストラしなければならない、という判例が複数存在します。

要するに、経営が悪化したり経済危機が起こった際に、真っ先に切り捨てるのは非正規雇用だということです。

3.一方で正社員は定年まで雇うべし

まあ終身雇用ですし。ちなみに定年は55→60→65歳と引き上げられ続けています。

さて、以上のルールに従って、あなたは部下に仕事を割り振らねばなりません。どうやって割り振りますかね?

まあ普通に考えれば、重要な仕事は正社員に、簡単で誰にでも置き換え可能な作業は非正規雇用に割り振るでしょう。

営業であれば取引先との窓口となりノウハウと人脈を培う仕事は正社員。そのサポートをしたり資料作ったり書類整理するのが非正規という感じです。

だって正規雇用は定年まで雇わねばならない一方、非正規は数年でバイバイすることが確実なんだから仕方ないですよね。

前者の仕事はやりこめばやりこむほど会社にとっても本人にとっても財産となる貴重な経験が積めるはず。

一方、後者は何年やろうが伸びしろは限定的です(というか数年でリセットボタンされるようなものですし)。

これが、日本で非正規雇用に低賃金の仕事が集中する理由ですね。競争のメカニズムが働いていない、というより、そもそも同じ土俵に上げることが禁じられているためです。

仮に5年ルールがなかった場合も想像してください。正社員のAさんと非正規のBさんがいて、二人とも同じくらい優秀でやる気もあったとしたら。

恐らく上司のあなたは同じレベルの仕事を任せるでしょう。少なくとも与える仕事内容で非正規雇用労働者を排除すべき理由はありませんから。

では給料も同じかといえば、正社員のA氏の方が安くなるはずです。だって定年まで雇わねばならず、その分のリスクを織り込まないといけないから。

はい、というわけで、規制緩和すればこうしてきちんと市場メカニズムがきいて賃金は 正規<非正規 となるわけです。

余談ですが、上記のルールを眺めていると、

「正社員として粉骨砕身して滅私奉公するのが正しい人生。非正規雇用はあくまでその場しのぎのためのオマケ、大の男がするようなものじゃない」

といった家父長制というか封建的というか、古色蒼然たる差別構造を感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

「まず非正規をクビにしろ」という判例は、男が正社員でフルタイム滅私奉公しつつ、女性がパートで下支えしていた昭和の時代に出されたものがほとんどです。

だから上の2番目のルールは「リストラする時はまず女からクビにしろ。あいつらはどうせママゴトでやってるだけだから」と読み替えてもらってもOKです。

で、いまだに「終身雇用を守れ!非正規は規制しろ!」と言ってる人達って、こういうのも含めて支持してるってことですからね。そういう差別主義者が“リベラル”を自称するのって、なんかのギャグなんですかね。

あ、ちなみに1番目の悪名高い“5年ルール”ですが、作ったのは民主党政権ですね。

たぶん(13年施行で5年後の)2018年あたりから「やたら短期で雇い止めになるようになった」という非正規の人は多いと思いますが、文句は民主党OBや法案を支持した日弁連、共産党に言ってあげてください。

以降、

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Q:「管理部門の人間が会社と交渉するポイントは?」 →A:「数字以外の貢献を認めさせること、それが交渉です」

Q:「楽天はなぜ東大生に人気なんでしょうか?」 →A:「いろんな人の受け皿になっているんでしょう」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2024年7月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。