“残クレ”はやめとけって本当?
近年のローン購入の中で主流のひとつとなっているのが「残価設定型クレジット」、いわゆる“残クレ”と呼ばれるローンです。車の購入金額のうち、設定された数年後の買い取り保証額分を最終回にまとめて支払い、残りの金額を期間中に分割して支払うというローンで、月々の支払い額を抑えることができます。
車の購入金額のうちどれくらいの割合が買い取り保証額となるかはメーカーやモデルなどによっても異なりますが、一般にローン年数が短いほど保証額は上がり、長いほど下がります。3年間、5年間の2つの期間で用意されていることが多く、買い取り保証額は3年間の場合は車体価格の50%、5年間の場合は30%となっていることも多いです。
この例で車体価格300万円の車を3年間の“残クレ”で購入した場合、300万円のうちの50%にあたる150万円が最終回に支払う額で、残りの150万円を36回に分けて支払います。“もろもろの費用”を抜いて考えれば、通常のローンでは毎月約83,000円ですが、“残クレ”では毎月約42,000円。最終的に残った150万円の精算は、150万円分の価値があるものとして車を返すか、150万円をまとめて支払うか、150万円でふたたびローンを組むかで行うことに。
最終回に車を返すことで精算すれば実質半額で車を買えたことになるため、費用の余裕がない場合やワンランク上の車に乗りたい場合は都合がいい支払い方法のように思えるでしょう。
しかし、150万円分ではなく300万円分のローンとして組むことになるため、前述の“もろもろの費用”の中に含まれる金利手数料は、150万円のローンよりも高くなります。また、買い取り保証額には条件があり、走行距離や車体の状態、改造の有無などで車体の価値が落ちてしまった場合、その分は客が保証しなければなりません。
車を決められた期間ではなく長く乗りたかったり、年間の走行距離が多くなる予定であったり、一度もぶつけずに運転する自信がない、カスタムや改造を楽しみたいといった場合は、“残クレ”での購入は後悔につながるおそれがあります。月々の支払い金額が軽くなるからと安易に“残クレ”を利用することは避け、まず自身がどのように車を利用するかしっかりと想定し、それが適しているかどうかを見極めることが重要です。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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