昔から、家賃は毎月の収入の3割が目安とされているが、この認識は過去のものになりつつある。
家賃を考える上で固定費を把握しておくことは大切だ。例えば一人暮らしの人の1カ月家賃を引いた生活費は平均17万円程だ。
ここ数年は、戦争による原材料不足や新型コロナウイルス感染症による物流の滞りにより、日用品の価格は上昇傾向にある。
加えて、新型コロナウイルス感染症が落ち着き人々が活発に動き出したことや円安の影響を受けてインバウンドが増えたことで、ホテルや航空券などレジャーに関する費用も高騰している。
さらに、増税や社会保険料の引き上げにより、同じ給料でも手取りが減っている。このように、以前に比べると生活費が高くなったいま、「家賃は手取りの3割」には負担感があるのではないだろうか。
家賃は手取りの2.5割程度にとどめるのが現代社会の理想と言えるだろう。家賃を低く抑えておけば、今後さらに物価が上昇したり、増税になったりして生活費が上がったとしても余裕を持って対応できる。
ネットの情報だけではなく実際足を運んでみよう
インターネット上では、住みやすい街や家賃が安い街などの情報があふれている。
しかし、どのような環境を望むかは人それぞれ異なるはずだ。
実際にその町に足を運び、駅周辺や物件の周辺環境を確認することで、引っ越しをした後も後悔なく住み続けられるだろう。
また、物価が高騰し続けるいま、無理して高い家賃の物件を選ぶのではなく、安心して支払える家賃の物件を選ぶことをおすすめする。
文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー)
新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。